第90話 第一次不具合の終息

【ダンジョンの管理者を代表し、ランナル様及び、配下の皆様方には、感謝いたします。】


ファイさんはお辞儀をしてくる。


「別に大した事はしちゃあいないさ。」


「ファイと言ったか、君には私らが配下に見えるのか・・・・妻候補?婚約者?には見えないのか・・・・?」


【そうでしたか・・・では、女性は婚約者と認識を改めます。では、男性は・・・・?やはりそう言う関係でしょうか?】


「絶対違うから!あいつら・・・・親方らは、望んで配下になってくれるんだよ!」


【かしこまりました。では、そのように認識をいたします。それと、今後の事ですが・・・・ダンジョンの踏破、おめでとうございます。それに、不具合の回復にご尽力下さった功績により、今後は

ランナル様及び、ここにおられる方々は・・・ランナル様が許可を与えた場合、この空間へ自由に出入りできる便宜を与えます。さらに他のダンジョンへ自由に行き来できる特権をお付けいたします。】


え?何それどういう事だ?


「また!今他のダンジョンへ、自由に行き来できるといったか?」


【左様でございます、エリーザベト様。】


「ランナル、これはとんでもない事になったぞ・・・・」


「どういう事だ?」


「考えてもみろ・・・・主要な都市、街には大抵ダンジョンが存在する・・・・そこへ自由に行き来できるという事はだな・・・」


「うんうん?」


「あ、わかった・・・・世界中どこへでも行き来できるという意味だね!」


「ヘインチェわかるか?そうだ、これはとんでもないぞ?」


何やらエリーザベトさんとヘインチェちゃんが盛り上がってる。


「なあカチヤ・・・・俺にはわからん・・・・」


「ええと、つまりは、ダンジョンは世界各地にありますよね?」


「そうなのか?」


「ああ・・・そもそもがそこからの認識ですか・・・・つまり、この世界の各地にあるダンジョン、そこへ自由に行き来できるという事はですね・・・・つまるところ、世界各地へ自由に行けると同義です。」


「うん?つまり・・・・?」


「私達は、世界各地へ、殆ど時間をかけずに往来できるという事です。貿易し放題です。」


「ますますわからん・・・・」


「まあ、ランナルさんが貴族になって、領地の物を売りたい時、ダンジョン経由で、遠くの街に、高値で売れると言う事ですよ?」


「そうなのか・・・・まあ、もう金に不自由しなさそうなんだが・・・今更金を稼ぐ意味があるのか?」


「ええと・・・・私達が結婚すれば、子供ができますよね?で、将来その子たちがお金に困らないようにしませんと・・・・」


「よく分からんが、カチヤに任せるよ・・・・俺は少し疲れた。」

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