第87話 ダンジョン踏破 その4

「開いた・・・・何故だ?」


「エリーザベトさん、何か知らんが、このダンジョンの管理者とか言うのに声をかけられた。」


「管理者?」


エリーザベトさんは変な顔をするが・・・・


「まさかですが、実在してたのですね?」


カチヤが俺に食らいつく。


近い!近いから!


「私もギルドで聞いた事があります。管理者の存在。神のほかにもダンジョンの管理者がいるはずだ・・・・と。」


「そうなのか?ああ、何か神にお願いしてほしいと言ってたぞ?ヘインチェちゃん、ギルドは何処まで知ってるんだろうか?」


「さ・・・さあ?私はあまり・・・・カチヤさんは?」


「私もそこまでは・・・・」



そう話しながらも、進む。


で・・・あった。換金ボックスだ。


「おお!換金ボックス、こんな所にもあるのかよ!」


親方が驚く。


いや、メンバー全員驚いてるな。


「すまんが・・・・神に報告しとく。なにやら、ダンジョンの不具合うんたらかんたら言ってたからな・・・・」


すると、ううぉ!目の前にまたもやあの女性が。


「む!全く気が付かなかった!貴様何者だ?」


エリーザベトさんは俺の前に割り込み警戒する。


【心配ございません。皆様には一切危害を加えないとお約束いたします。ではランナル様、よしなに。】


また微妙なお願いだな・・・・


エリーザベトさんは警戒を解いていないが、俺は換金ボックスを操作し・・・・不具合の報告?


この項目で連絡を取る事に。


”ダンジョン”100層突破後、ダンジョン管理者・・・・ファイなる女性・・・管理者と名乗っている・・・・ダンジョンの不具合について、神と連絡を取りたいらしい・・・・返答求む。”



暫し待つ・・・・すると、驚く事に、換金ボックスが輝きだし、何やらけたたましい音が鳴り響く。

すぐに止まり・・・・


【・・・・誰だい?こんな報告を寄こすのは?】


神が現れた。あ、換金ボックスの画面から光が出て、何やらそれっぽい人物みたいなのが浮かび上がってる。


【このダンジョンを任されております、ホムンクルス非戦闘型タイプ φファイ229型でございます。ランナル様にお願いをし、換金ボックスを操作いただきました。現在のダンジョンの不具合についての報告でございます。】


【あ・・・あああ!そうか・・・そういう事か!僕は今まで勘違いしていたよ!ダンジョンの不具合だったのか!】


【私には修正できませぬ。そちらで修正パッチを当てて下さるよう・・・・】


【ああ、わかった!ちょっと待ってて・・・・おおお!ここが・・・・違う?いやいや・・・ホウホウ、そうか・・・・これがか・・・・】


何やら慌ただしくやっているようだ。


【おおお!終わったあ!いやあ、ファイ229型、よくぞ報告してくれた!感謝する!これであの不具合も解消だよ!うはははは!】


【・・・・不具合の解消を確認。これよりダンジョンは正常に戻ります。】


その時、ガコンと大きな音がして、揺れた。


【さあ・・・・忙しくなるぞ・・・・うん?そう言えば・・・・ああ!君は・・・・よりにもよって君か・・・・って、ここは100層だぞ?まさか自力で突破したのかい?】


「ええ、そうです。貴方に公認された方法を駆使し、仲間にも恵まれ、ここまで来ました。あ、換金はしていませんから、ほぼすべて手持ちに装備品はありますよ。一部は回収に時間がかかりますが・・・・」


【君は何を言って・・・・あ!LRのフル装備じゃないか!まさか・・・・】


「今ならあの不具合を再現できます。見ますか?」


【・・・・頼む・・・・】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る