第60話 何だか知らんが腹が減った・・・・

「ちょっと待ってくれ!」


俺は行こうとする仲間を止める。


「ランナルさんどうしたんですか?」


ヘインチェちゃんが駆けて戻ってくる。


「・・・・何か知らんが無性に腹が減ってな・・・・」


「え?戦闘前にお芋食べてますよねえ?」


「そうなんだが・・・・」


だが、減ってしまったもんは仕方がねえだろ?


「それはきっと先ほど放った技のせいだろうな。」


「エリーザベトさん、何でだ?訳が分からんよ。」


「あの技は魔力を消費するのだよ。そして・・・・エネルギーとして脂肪を取られ・・・・結果腹が減るのだ!」


「え?じゃあ、あの技打ちまくれば痩せる?」


「何度も連続して放てば腕が壊れるぞ?」


「うわ・・・それは嫌だな・・・・」


すると・・・・横からいい匂いが。


「これ・・・・よかったらどうぞ?お芋の残りですが・・・・」


「おお!天使ちゃんが此処にいたよ・・・・カチヤさんありがとう!」


「え・・・ええ?天使ちゃんですか?うふふ・・・・お役に立てて嬉しいわ。」


「あああ!後からなのに・・・・もうすっかり・・・ここは負けられません!」



うん?何を気合入れてるんだ?ヘインチェちゃんは。


お芋を食べながら思う・・・・


あの技・・・・かっこよかったな・・・・(多分)一度に大量の魔物を仕留められるのもいい!

だが・・・こんなにも腹が減るのか・・・うん?だが待てよ・・・・真面に戦ってたらあと数時間はかかったんじゃないか?


そう思えば・・・・効率がいい?


そんな事を思いながら食する・・・・


「飲み物です。」


カチヤさんが差し出してくれる飲み物を飲む。


「うう・・・・カチヤさん、あんたいいお嫁さんになれるぞ?」


「え?そうですか・・・・?私はランナルさんのお嫁さん希望ですからね?不束者ですがどうぞ末永く「わあ・・・何でもうそんな関係になっちゃってるんですか?」よろしくお願いしますね。」


「どうした?ヘインチェちゃん、あんたも腹減ったのか?ほれ、食いかけだが・・・・」


俺が差し出すと、何か知らんがヘインチェちゃん、芋をぱくついてる。


「ランナルさんの食べたお芋・・・・は!すいません思わず・・・・」


俺はちょっとヘインチェちゃんがかじった芋を受け取り、


「何だ?旨くなかったか?」



そう聞きながら完食。


「あわわ・・・・私の食べかけを食べちゃった・・・」


「あ・・・・凄い・・・・最後は・・・流石は先に知り合っただけはありますね・・・私も見習わねば!」


ええとヘインチェちゃん、カチヤさん?どうしたんだ?


「頑張りましょう!お互いに!」


「え・・・ええ?そ・・・そうね、お互い頑張りましょうね?」


もう打ち解けたか・・・・



俺が食べ終わったので、出発する事に。先に入っていった冒険者の後を追いかける俺達だった・・・

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