第58話 壊滅を免れた冒険者達

オーガの囲いを突破し、こちらに向かってくる冒険者達。


仕留めてから来いよ!


周りを少しずつ仕留めてた俺達の方に、冒険者と共にオーガがやってくる。


くっ!


「エリーザベトさんは俺の前で!2人は左右を!俺はクロスボウを打ちまくる!」


親方達は少し離れてるから、任せるしかない。


ドンドンクロスボウを打ちまくる!


再装填に5秒ほどかかるが、その時間が惜しい!


そして・・・・クロスボウを放つごとに、何だか威力が増し、命中精度?当てたい場所に当たるような気がするが・・・・


そんな事を考える暇もなく・・・・



目の前ではエリーザベトさんがショートソードでオーガを切り伏せてくれている。


左右ではヘインチェちゃんと・・・名前なんだっけ?さんが対応してくれてる。


俺はひたすら打ちまくる。何せ自動で装填、クロスボウのレバーを指で引くだけだからな。勿論、狙いは定めるが。


逃げる冒険者、だが逃げ切れずにオーガと戦ってる連中を助けるのに、そう言ったオーガを狙い撃ちにしていく。


目の前のオーガが倒れると、すかさず逃げる。


全員逃げきったのち・・・・体制を整えた冒険者達が徒党を組んで、オーガに再び挑み始める。


その中には見知った・・・・クラン何某の・・・・灼熱の何とかだっけ?のメンバーも。


「すまんな助かった!何せあの数だからな・・・・」


「ありがとう!」


「恩にきる!」


・・・・結局ダンジョン内には入れなかったようだ。


その頃には俺もクロスボウからショートソードに切り替え、仲間3人と共にオーガを切り伏せていく。そして・・・目の前にオーガしかいなくなったので・・・・

「力を込めて・・・・剣を振れば何か飛ばないんか?」


阿呆な事を考えてしまった・・・・


”ソニックブーム”


音速以上の速度で衝撃波が発生し、大音響が響き渡るド派手な技。


何せこの装備だ・・・・行けるんじゃね?とか考えるよな・・・・


「ソニックブームか?訓練も無しに無謀だぞ?」


エリーザベトさんが隣でそう言ってくれる・・・・


出来るのか?

やってみるか?


俺は剣を持ちかえ・・・・右に剣が来るように持ち、剣を大きく後ろに体をひねりながら構え・・・・

一気に左へ振りかざした。



ブン!


と言う鈍い音と共に・・・・見えない何かがオーガの群れに向かっていく。


吹き飛ぶオーガ共。


そして・・・・数秒後ののち・・・・



どごおおおおおおおおん!!!!!!!!!!!



と、大音響が響き渡る。


うがああ!耳があぁあ!


周りの冒険者も、オーガも動きが止まる。


・・・・できたのか?


因みにこのソニックブーム、運が250以上無いと成功しないらしい・・・・


あ、俺運250あるわ・・・・


「くっ!まさか成功するとはな・・・・」


耳を押さえながらエリーザベトさんが声をかけてくれる。


「ランナルさん凄いですぅ!」


周りにオーガが居なくなったのでヘインチェちゃんが抱きついてくる。


うわ・・・・



「ああ、何と破廉恥な・・・・・羨ましいですね・・・ランナルさん、先ほどの攻撃、素敵すぎです。」


「ああ・・・それで済まんが、あんた名前なんだっけ?聞いてなかったよな・・・・?」


「あ、そうでした・・・・カチヤ・ピュヒョですよ。カチヤとお呼びください。あ、同じぐらいの背ですが・・・・女として見てくれますか?結婚を前提とした。」


「え?結婚?いやいや・・・・あんたカチヤさん?あんたほどの顔とスタイルなら、いくらでも相手いるだろう?俺なんぞ装備が無けりゃあ只のNハンターだぞ?」


「ですが!現実は凄いですよ?どうですか?私を3人目の妻にして下さい!」


「えええ?言っとくがあの2人とはそんな関係じゃないぞ?」



「「「え?」」」


3人がはもった。


「そんな・・・・私はそのつもりですよ?」


え?何言ってるのヘインチェちゃん。


「私はその・・・・多分君より年上だが・・・・それでもよければ・・・・いいぞ?」


何がいいのエリーザベトさん?

あんたも・・・年上かもしれんが・・・・ちっこくて美人・・・・何で俺なんだ?

俺は・・・・どうしたらいいんだ!



今まで最下層の暮らしだったランナルには、女性に関する知識がまるでない・・・・モテ気到来中なのだが・・・・


悩まなくていいのに悩むのだった・・・・



その頃親方達は・・・・


「くう!俺も何とか可愛い娘っ子捕まえたが・・・・何であいつはあんなにモテるんだ!羨ましいぜ!」

「ランナルには感謝しかないな!俺らもこうして付き合えるのは・・・・あ!間違いなくあいつのおかげだ!5年、一緒にやってた甲斐があったってなもんだ!!」


ランナルはチームメンバーに恵まれていたようだ・・・・


因みに親方の相手も受付嬢だ。

さらに言えばチームメンバー皆受付嬢をゲットしている。

受付嬢は一度に10人程いるのだが、交代で総勢20人以上いるから、それでも半分なのだ。


街でこれだから、主要都市ではもっと人数が居る。

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