第50話 焦燥感に駆られる (神 Side)
神 Side
これは・・・・やばいです・・・・
こんなはずではなかったのに・・・何でこんな事に・・・・
私は神。
この異世界のガチャの管理を任されている。
ガチャの管理と言っても、本命のアイテム、つまりは武具及び魔物討伐に欠かせないアイテムの数々。
それらをうまくガチャに取り入れ、ガチャらせる。
今回のアップデートは、今までにない大型なので、慎重に慎重を期し、βテストも実施したというのに・・・・
何でこんな事に?
βではこんな事は起こらなかった!
ガチャができない不具合は改善されましたが、さらなる問題が・・・・
「神様!大変です!ダンジョンから魔物が外へ溢れてしまってます!」
「何ですか?ダンジョンの魔物が外へ出るなどありえません!」
「そうは言っても!現実にはかなりの数が出てしまってますよ!どうしましょう!!」
神である私は、ガチャの管理を任されている・・・・先ほどそう言いましたが、そのガチャのアイテムを生産するのに、ダンジョンを使用しています。
正確にはダンジョンの最下層から湧き出る魔素です。この魔素、放っておくと悪さをするので、魔素を利用し、比較的作成が楽な低ランクの武具やアイテムは、この魔素を元に作っています。
そしてこの魔素は、魔物にも影響があり、魔物は魔素無しでは生きていけません。
地上にも魔素はありますが、ダンジョンに比べるとかなり少なく、ダンジョンも上層と下層では魔素の濃さが違い、強い魔物はより魔素が必要で、必然的に下層に居つきます。
そうは言っても、暫らくは魔素の補充が無くても生きていられるので、たまに下層の魔物が中層にやってくる、と言う事もあり得ます。
しかし・・・・ダンジョンから魔物があふれ出る、と言うのは考えにくいですね。
そんな事を考えていると・・・・
「大変です!あふれ出た魔物が街を襲い始め、いくつもの街が壊滅しています!」
!!
「それは本当ですか?」
・・・・これは・・・やばいです・・・・
間違いなく大型アップデートの影響ですね・・・・このまま鎮静化できないでいると・・・・あのお方の耳に入ってしまいます・・・・
主神様の耳に入ってしまえば・・・うう・・私の立場が・・・・
「神様!いくつかのダンジョンが、ハンター達により鎮静化しています!」
「それは本当ですか?」
「間違いありません。例えば・・・・ローテートダンジョンですが・・・・ダンジョンから出ようとしていたドラゴンを、SSRフル装備の3人組が仕留めたとか。サポートでS級クランメンバーが3人居合わせていたとの情報もありますが。」
「ほお・・・・たった3人でドラゴンをですか?それと僅か3人のサポートだけで?」
「ええ・・・・どうやら3人SSRのランク5のフル装備だったようです。」
「ほお・・・・そのようなものが3人もいるのですか・・・・では、その者達に他のダンジョン、街を解放させなさい。」
「しかし、どうすれば?」
「ギルドを使いなさい。緊急討伐や、強制イベントとでも銘打って促しなさい。」
「わ・・・・わかりました・・・・」
・・・・もうすぐ修正プログラムも出来上がります・・・・何とか外へ出てしまった魔物は、ハンター達に仕留めてもらいたいですね・・・・
この時神は、この3人組が何者かとかまで調べるという考えが、頭になかった。それどころではなかったからだ・・・・
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