第51話 出陣の前の腹ごしらえ

「腹減った!」


俺は叫んだ!


さっきまで戦ってたんだぞ?


腹が減っては戦はできぬって言うだろ?


「ぬ・・・・急いで向かって欲しいのだが・・・・そうも言っておられぬか。」


ギルド長がそう言って、どこかへ向かう。


ふっ・・・・使われっぱなしってのも癪だからな・・・・

あ、そうだ、アイテム!何ドロップしてんだ?俺知らねえぞ?


「ヘインチェちゃん、今のうちに、ドロップしたアイテムを・・・使えるのが無いか確認しとかないか?」


「えっと・・・・そうですね!外では兎に角落ちてたのを、調べないで拾ってましたからね。」


「今するのか?ランナル、君のカバンに適当に突っ込んどいたんだが・・・・」


え?そうなのか?


「えっと・・・・出すか?」


そうして取り出したのは・・・・何だ?金色の・・・玉?


「あ・・・・それ、今回の一押し素材ですね!」


「何だこれ?」


「オークジェネラルの・・・・睾丸ですよ?」


うげ・・・・何つーもん入れとくんだよ・・・・触っちまったじゃねえか・・・・


俺がそこらに捨てようとしたのを、慌ててヘインチェちゃんが受け取る。


「駄目ですよこれ、貴重な薬の元になるんですから!」


「だってオークの●玉だろそれ・・・・」


「そう言うがな、不妊の夫婦の最終兵器だからな・・・・凄い金額で取引されるらしいぞ?」


何でそんな事知ってるんだ?エリーザベトさんが?


出せども出せども睾丸と魔石ばかり。


たまに・・・・槍?槍なのか?槍が出てくる・・・・


あと・・・・何じゃこれ?腰巻?こんなの需要あるのか?


そんな中、オーク以外の魔物も仕留めていたようで、違うアイテムがあった。


”不思議な木の実”


何じゃこれ?鑑定すると・・・・


”使うとランダムでステータスやスキルに変化が現れる。グッドラック!”


・・・・何だよこれ?


そして、ギルド長が戻ってきて、何やら食事がやって来た。


肉とスープらしい・・・・


まさかオークのじゃないだろうな?


まあ食ったが・・・・味はそこそこ・・・・しょっぱいな。


腹を満たし、出発・・・・の前に。


「なんかアイテムくれ!回復の!それぐらいしてくれてもいいだろ?」


「おお!そうだな・・・・危険な任務だ、それぐらい融通しないとな。」


怪我に効くポーションや、さっき俺が飲んだ魔力の回復ポーションなど。


「有り難く貰っとくぜ!」


「ああ、それとな・・・・緊急イベント扱い、しかも強制じゃからな・・・・ガチャ券を配っておくよ。出発前の運試しにどうじゃ?」


・・・・良いアイテムが出たら出たで運を使い果たす・・・・出なかったら出なかったで運が無いな・・・・


戦前のガチャなんぞゲン担ぎには不向きだな。


「で、どうするのだ。やってくのか?」


「そうだな・・・・回すだけ回すか?無料チケットだからな・・・・」





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