第48話 ダンジョンへ向かうハンター達

その後、俺はもう我慢ができず、その場で寝た。


後の事はヘインチェちゃんがやってくれたようだ。


そして、時間にしてほんの少しだったようで、あの受付の女性が何やら差し出してくれる。


「あの、これ、魔力の回復薬 ポーションです。飲めばある程度回復しますので、よかったらどうぞ。」


俺はそれを受け取り飲んだ。


暫くして、頭の痛みや倦怠感などが消え、すっきりした。


「おおう!何やら凄くすっきりしたぞ?」


「それは良かったです。」


そう言って去っていく。


そして、ヘインチェちゃんを見ると、エリーザベトさんと共にギルド長とか言うのと熱心に話し込んでいるな。


「なあ、もういいのか?」


「あ、元気になったんですね?」


ヘインチェちゃんがにこやかに近づいてくる。


「何やらポーションを飲んだら楽になった。」


「それは良かった!正直顔色も悪かったからな!今はいい顔色だな。」


うっ!エリーザベトさんの綺麗な顔が俺を見つめる。そんな見つめられると・・・・



あ、おっさんがこっちに声をかけてくる。


「おお、すまんかったな!後はこちらで処理する。それと・・・・ダンジョンには討伐隊が向かったのだが・・・・君らはどうする?」


どうするも何も・・・・目的はこの街の救助だろ?もう終ったしな・・・・


「ランナルさん、まだ終わってないですよ?」


エスパーが此処にもいました・・・・ヘインチェちゃんもエスパーだったのか。


「何が終わってねえんだ?」


「この街にとりついていた魔物は一応片付きましたが、まだダンジョンから魔物が湧いてくるかもしれません。クラン”蘇りの灼熱”の方々が対処しているので問題ないとは思いますが・・・・」


あ、そうそう”蘇りの灼熱”だったな、何某は。


「しかし、この街の腑抜け共が一応向かったんだろう?もういいのではないか?」


きついぜエリーザベトさん。腑抜けって・・・・まあ、街の中に籠ってたからな、腑抜けって言っちゃっても仕方ないか。


俺はこの時思い出した。あれ?チームの連中どうした?


「なあ、親方達ってどうしてるんだ?」


「あ、ギルドの何処かで待ってるんじゃないですかね?」


ヘインチェちゃんも知らないようだ。


「あいつらも一緒に戦ってたんだ、連れてきてやれよ?」


「確かにな。臨時でしかも急増でこしらえたとはいえ、クランのメンバーだしな。」


「そうだよエリーザベトさん。そもそも皆無事なのか?」


「待ってろ・・・・呼んできてやる。」


エリーザベトさんは出ていった。


程なくして全員がやってくる。


ああ?何だああ?9人が9人共女を伴ってるぞ?どうしたんだ?



「おう!なんだかんだで俺らこの街の救世主らしくてな、ご覧の通りよ!俺らにも・・・・ようやく春が来たぜ!ぅうはははは!」


俺には何もないのか?


そう思うと、対応してくれた受付の女性が・・・・


「あの、流石にあのお2人を前にして、横やりは厳しいかと・・・・」


「はあ?別にあの二人とは付き合ってねえぞ?」


「そうなのですか?」


受付の女性がそう聞いてくるけど。


「ちょっとなんですかそれ?私達・・・・もうかなり深い仲なんですよ?」


え?そうなのか?いつの間に?私達って・・・・ヘインチェちゃんと、エリーザベトさんが?俺そんな深い仲になってたのか?


生まれてこのかた20年、一度もモテた事のない男はこういう事には鈍すぎた・・・・


「ええ?あれだけアピールしてたのに・・・・?」


え?ヘインチェちゃん何をアピールしてたんだ?


「わ・・・・私はそそそそんな事はないぞ?」


何を慌ててるんだエリーザベトさんは・・・・

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