第46話 街に入る

街の外の魔物は、あらかた撃退。


そして俺は・・・・気を失っていたようで、ヘインチェちゃんが膝枕しつつ、回復魔法を使ってくれたようだ。

どうやら倒れた時にしこたま頭をぶつけたらしい。


そして、膝枕をしてくれたらしい。


人生初の膝枕・・・・いやあ・・・・実に素晴らしい!


そしてエリーザベトさんとの抱擁・・・・感動の嵐!


もう・・・我が生涯に一片の悔い無・・・・・・い訳無いじゃないか!まだドーテーで死にたくないぞ?


折角目の前にいずれ・・・と思いたい女性が2人もいるんだ・するまで死ねん!ドゴッツ!


え?痛いぞ・・・・?何だ?


「今下品な事を考えていただろう」


エリーザベトさんはエスパーなんですか?


「二人っきりでね?」


意味深な事を言うヘインチェちゃん・・・・



気が付けば、街の門が開き、冒険者達が現れる。


「君達凄いな!あんなにいた魔物が、ほとんど居なくなってるじゃないか!後は我らでも何とかなるだろう。すまないね、任せっきりにしてしまって。兎に角疲れているだろうから、中で休んでくれたまえ。」


この冒険者の達のまとめ役か?


まあ、遠慮なく休ませてもらおう。ダンジョンに向かった連中が気がかりだが・・・・



ポーテートと言う街は、かなり大きく、俺らが拠点にしている街より賑やかそうだな。


今は魔物に襲われて、ひっそりしているが・・・・


俺達は別の冒険者の案内で、ギルドに向かっている。


休みたいのだが・・・・


「申し訳ありません。ギルドで少し話を願いします。その後は休んで下さい。」


そう言われるが・・・・


正直魔力切れ?の影響でまだフラフラ・・・・ヘインチェちゃんとエリーザベトさんに支えられて歩いている。


いや・・・・ちょっと事情を知らない奴らから見たら、女2人に支えられて歩くなんて情けないとか思われるぞ?


「ランナルさんの魔法、凄かったですよ!たった数分で魔物の大半を仕留めたんですから。」


「ああ、確かにとんでもない威力だったぞ?君は魔法の素質があるんじゃないか?」


・・・・きっと魔法の素養とか言うスキル?あれのせいだな。


暫くして、ギルドに着いた。


中には・・・・沢山の冒険者が居た。


いや・・・・こんなにいるんなら、あんたらでなんとかしろよ。


そう思ってると・・・・阿呆が絡んでくる。


「ようにーちゃん、この非常時に女2人をはべらかして・・・しかもとんでもねえ別嬪じゃねえか!俺らが2人を相手してやっから、あんたはそこでおねんねしてな!」


そう言って俺にパンチを繰り出してくる。


ベチッと当たったが・・・・うん?何だ今のは?全く痛くない・・・ああ、装備のせいだな。


「なあ・・・何で俺こんな扱い受けてるんだ?」


「は・・・・あああああ!いてえええ!何だてめえその・・・・手が折れた・・・・」


「あんた人の顔勝手に殴って、勝手に怪我して・・・・かっこ悪いな。」


すると、建物の奥から職員?がやってくる。


「君達何をしてるんだ!ギルド内での争いはご法度だ!しかも相手は怪我してるじゃないか!」


・・・・なあ・・・俺一方的に殴られて、相手が自滅しただけなんだが・・・・


「あんたらの目は節穴か?我々はこの街を助けに来た。そして、ここに連れられ、一方的にこの阿呆がランナルを殴った。こちらの装備を見ないから、殴った手が折れた。」

エリーザベトさんが職員?に説明する。


「そうなのですか・・・・?」


何とも言えない表情の職員?


周りは知らんぷりをしている。


どうやらこの相手はいつも問題を起こしているようで、皆関わりたくないって感じだな。

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