第37話 親方と、チームとの別れ  その1

一度パーティを組んだ目の前の・・・・今日も3人一緒らしいけど、どうやら俺達と同じく、これからポーテートに行くらしい。


「向こうでもよかったら一緒に行動しようぜ!」


そうさわやかに言うが・・・・


「私達はクランメンバーがいるのよ?それでもこの人・・・・えっとランナルさんでした?と行動を共にするのかな?」


この3人の中の一人は女性。名前は・・・知らん。


「だって、面白そうじゃないか!見ただろあの装備!」


「それはそうだけど・・・・きっと女性ばかりだから、迷惑するよ?」


「ちょっと待て!何に迷惑するんだ!」


「え?2人とも彼女でしょ?」


「断じて違う!」


後ろからごつかれた。


「いってええ・・・・」

振り返ると、お冠なエリーザベトさんが仁王立ちをしていた。


「何だよエリーザベトさん。何怒ってるんだ?」


「ふん!そこの女!私は付き合ってないからな!断じて!」


「え・・・えええ?そんな顔して言われても、説得力ないなあ。そうか、そうなんだね・・・ウフフ・・・・」


「何がおかしい!」


「いいのよ、若いっていいわね・・・・」


あんたも若いだろ?


俺は親方を見つけたので、親方の所へ向かう。珍しいな、ギルドに居るなんて。よく見るとチーム全員いるようだ。


「チームが居たからあっちに行く。縁があればまた一緒に組もう。」


「ああ、彼女にもよろしくな!」


ヘインチェちゃんを指差し、去っていく3人。


「何で私がこいつと・・・・」


そんなに怒らんでも、エリーザベトさん。


何故か着いてくるけど、そのまま向かう。


「親方・・・・」


「おお!ここに来ればお前に会えると思ってたぜ!やったな!最底辺から上手く抜け出しやがって!何をどうしたんだ!」


何時もの調子で快くよく迎えてくれる。


「そうだぜ!まあ俺達も抜け出したいが、こればっかりはな・・・・ランナル、ガチャで何か当てたのか?」


・・・・ちょっとここではな・・・・


「奥で話そう。」


俺はギルドの受付に戻ったヘインチェちゃんに奥の部屋を借り、何故か一緒にヘインチェちゃんも着いてくるけど・・・・チームと一緒に部屋で話をする事に。


「親方、俺、親方に、チームに別れを言わないといけない。」


親方はじっと俺を見る。


「おう!そりゃあこんなむさくるしい男じゃなく、別嬪の方がいいわな!がはははは!」


豪快に笑う親方。


”羨ましいぜ!”


”俺もそんなになりたいぞ!”


チームメンバーも俺を否定はしない。


「すまんな皆、かれこれもう5年チームを組んでたが・・・・」


「しかたねえ!そう言う決まりだ!たまたまランナル、てめえがそうなっただけだ!」


俺は悩んだ。


俺が持っていて余っている武具を渡せば、親方達も最底辺から抜け出す事ができるだろう。だが、それが正しいのか・・・・


下手にいい装備を渡して、無謀にも下層に挑んで命を散らせば本末転倒だ。


それで、一つ思い付いた事があった。それ親方に切り出す事に。



「親方・・・・一寸提案があるのだが。」



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