第28話 肉肉肉!肉を食う!

血抜きが終わり、内臓も取り出した。


次は・・・・肉だな。


しかし・・・・ドラゴンなんて扱った事が無いし、どうしたもんか・・・・


まあ、トカゲみたいなもんだからな・・・・脂だけは念入りに取り除いて・・・・


ドンドン肉のブロックを取り出す。


カバンはヘインチェちゃんに渡してあり、ヘインチェちゃんがカバンの口を広げ、エリーザベトさんが肉を受け取り、どんどんカバンに入れていく。



「恐ろしいほど手際がいいじゃないか?何でそんな腕でダンジョンに?地上で魔物を狩っていた方が実入りがいいんじゃないかい?」


・・・・そう言われてもな・・・・


「それより・・・・ドラゴンの肉は相当旨いと聞いた事があるが・・・どうなんだ?」


「なあエリーザベトさん、俺が食った事あると思うか?」


「ははは!普通そんなの食う機会なんぞないよね。よし、ここは僕達が・・・肉を焼いてあげようじゃないか!待ってるのもなんだからな!」


・・・・皆の目の色が変わる。


何せ肉は大量にある。


「おっしゃあ!焼き肉パーティ!」


・・・いいのか親方、ここダンジョンだぞ?


俺達が解体を進めている間、”蘇りの灼熱”の3人は肉を焼き始めた・・・・


う・・・旨そうな匂いじゃねえか。


そして・・・・2時間ほどかけて、肉の取り出しがほぼ終わり・・・・鱗も取り終わった。


次は口の牙と、骨を解体。


骨はショートソードでスパッと切れる。


ドラゴンといえども、硬いのは鱗だけだな。

え?骨も硬いって?


急ぐ必要が無くなったので、一度作業を止めて、皆で肉を喰う。


・・・・何だこれは・・・・?


これが・・・・肉、なのか?


俺が今まで食ってきた肉とは何だったのか?


「とろけますう・・・・」


既にヘインチェちゃんは溶けてしまっていた・・・・


「噂には聞いていたが・・・・これほどとは・・・・」


恐らくこの中では、かなりの美食家であろうエリーザベトさんがそう言うのだ。やはりドラゴンの肉は凄いんだろう。


食べ終わり・・・・

Nハンターの、俺達のチームとは別のチームの連中が・・・・


「死んだ仲間に献杯!」


「「「「「献杯!」」」」」


皆持っていたグラスで、献杯をし、死者に祈りをささげた。


幸い俺達のチームには死者は出なかったらしいが・・・・皆しぶとく生き残ったらしい・・・・他のチームはそう言う訳にはいかず・・・・見つからなかった仲間もかなりいたらしい・・・・見つからなかったイコール、ほぼ死なのだが・・・・


多分ブレスで丸焦げになったんだろう・・・・


俺は再び解体作業をし・・・・

仲間に鱗を一枚ずつと、肉を少々分けた。骨も一本ずつ渡す。

解体を手伝ってくれたお礼だ。


売れば相当な金額になるだろう。


そして・・・・”蘇りの灼熱”のメンバーに、解体した半分を・・・・つまりドラゴン1頭分を・・・・渡した。


「いいのかい?君がいなければこんなに上手く解体できなかったのだから・・・・解体費用ぐらいきちんと受け取るべきだよ。」


そう言うがな・・・・あんたらがいなければ、こうもドラゴンを仕留める事はできなかっただろう。


「俺達は一度戻る。あんたら・・・・ドラゴンの事、ギルドに報告してくれ。」


「うん?どうしてだい?殆ど君達が仕留めたもんじゃないか?」


「事情があってな・・・・1年、目立ちたくないんだ。」


「・・・・すでに手遅れだと思うけどね・・・・まあ、解体費用と思って、それぐらいはしておくよ。ランナル君、それにエリーザベトさん、ヘインチェ嬢だったな・・・・ギルドの・・・・また会おう。」


そう言って3人は背を向ける。


何やら女性は言いたげにしていたが・・・・何やら俺の事情を察してくれたのか、何も言わずに去っていく。


野郎2人は何やら楽しげに会話をしながら去って行った。あれ?あいつら仲間と待ち合わせしてたんじゃないのか?


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