第25話 6人の臨時パーティ

正直足が震える。


あんなバケモンに勝てる気がしない。


1人で下層を挑んだが、あんなバケモンは見なかった。


あの時はSRの武器だったが、SSRの武器ならドラゴンでもいけるんじゃね?と思った時もありました・・・・


俺はやばそうなハンターに近づき、ハンターを逃がしつつ、ドラゴンを剣で切りつけた。


ガキンッ!!


うおお何だこれ超硬いんですけど・・・・


「駄目だよランナル君!ドラゴンの鱗は硬いから、まともに切りつけてもダメージは与えられないよ。」


「先に言え!」


気を取られた一瞬、ドラゴンの攻撃をもろに食らう。


「ぶべっぼがべ!」


俺は吹き飛んだ。壁に激突し、肺の空気が全部抜ける。だが・・・あれ?痛くない?


「ラララランナルさん、しっかり!」


「大丈夫だ・・・・凄いなこの装備。」


「月シリーズは伊達じゃないからな・・・・それより、力を解放しないかい?」


「なんだそれ、エリーザベトさん、俺はNハンターだ。こんな凄い装備の事はまるで知らない。」


「シリーズを揃える事ができれば、さらなる力を引き出せるのだよ。この場合は月の力だな・・・月とはまあダンジョンの事を指すのだが・・・・」


そうエリーザベトさんが説明する間に、”蘇りの灼熱”の3人は果敢にドラゴンを攻めている。


俺が渡した短剣・・・・短剣と言っても50センチほどあるのだが・・・・リーチが短く、殆どドラゴンにダメージを与えていない。


「どうすれば・・・?」


「私もよくは知らないが、”シリーズ解放”と言えば、ステータスにブーストがかかる筈だ。」


「やってみよう・・・・”月シリーズ解放!”これでいいのか?」


「ああ・・・・あたしも・・・・ヘインチェ、君も言うんだ。”月シリーズ解放!”」


「えええ?恥ずかしい・・・・」


「ここにきて恥ずかしがるんじゃない!」


「わかりました・・・・何で私がこんな目に・・・・うう・・・・”月シリーズ解放”」


3人が言い終わり・・・・なんだかすごく体が火照る・・・・


【月シリーズ:能力解放で装備後のステータスが、ダンジョンに限り2倍になる。時間制限1時間。1日1度可能。】


何だか動きが軽い?力が湧いてくる?


「3人で挑むぞ!今ならいける気がする!」


「その意気だ!ヘインチェ行くぞ!」


「私はただのギルドの受付・・・うう・・・」


3人が苦戦している所に俺達3人は突っ込む。


「バーストか!それなら行ける?」


俺達の事に気が付いたのか、3人は俺達の援護に回るようだ。


俺は早速・・・・剣をふるう。


がごん!


剣が鱗にめり込む。


見るとエリーザベトさんも、ヘインチェちゃんも同じように鱗に剣がめり込んでいる。


滅多切りにする。


「ランナル君、よけろ!」


背後で声が。


何が?と思う前にその場を飛びのく。


俺がいた場所に、ドラゴンの尾が振り下ろされていた。


凄い揺れだ・・・・


そして再びドラゴンに剣をふるう。




鱗がべっこりとなるが・・・・あ、1枚鱗に隙間ができたぞ?


俺は剣をその隙間に突き刺す。深々と突き刺さった。



『GUWOOOOOO!!!!!!!』


ドラゴンの口からとんでもない大音量の叫びが。うるせえ・・・・

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