第24話 SSR月シリーズ・フル装備の3人

「そ・・・装着完了です・・・・」


「私も終わった・・・・」


因みに月シリーズの武器はショートソードだ。

力のない女性にも扱いやすい。


まああれだ・・・・傘みたいな長さだからな。


ロングソードは・・・・下手をすれば小柄な女性の身長ほどあるからな。


見ていると、ドラゴンの動きは遅い。


そして・・・・まだまだ冒険者は逃げてくる。


「倒せるか分からないが、せめてハンターが逃げる時間は稼ぎたい。無理だと思ったら逃げてくれ!」


「わわわ私もすすすするんですかあああ?」


震える声で言うヘインチェちゃん。


「やるしかないだろう?ヘインチェも多少は訓練してたじゃないか?」


「エリーザちゃん、そうなんだけど・・・・」


「こっちに来るぞ!」


そう俺が言い、剣を構えたんだが・・・・



「3人でやるのかい?ちょっと厳しくない?」


と背後から声をかけられた。


誰だ?


「君は確か・・・・”蘇りの灼熱”のメンバーじゃないか?」


「あれ?僕達の事を知ってるのかい・・・・ってなんだエリーザベトじゃないか?何でこんな所に?」


「今ダンジョンに行こうとしていた所だ。」


「へえ、そうなのかい?僕達もさ。まだ3人しか来てないけどね。」


エリーザベトさんが話している相手・・・・只者じゃないな・・・・


3人共装備が立派過ぎる。


「ランナルさん、あの人たちはS級クラン”蘇りの灼熱”のメインメンバーですよ?」


「なんだその”蘇りの灼熱”って?」


「知らないんですか?」


「全くもって・・・・」


「あのクランは、この国一番のクランですよ。そして、このダンジョンの下層をターゲットに活動してるんです。」


「そうなのか?じゃあ何でこんな上層に?」


「あ・・・君が噂のランナル君だね。尤もだが、最近大型アップデートがあったじゃないか?だから暫く地上に戻っていたのだよ。そして、今日再び下層に行こうとしてた所さ・・・・」


「そんな事より、あんたらドラゴン倒せるのか?」


「いや、この人数じゃ無理だね。6人が6人共SSR(5)の武器を所有していれば話は別だけど、今僕達は持ってないからね・・・・」


「あればいけるのか?」


「たとえ短剣でも、SSR(5)があればね・・・・正直武器の種類にはあまり威力の増減は関係がないからね、短剣なら剣術のスキルだから、ロングソードだろうと短剣だろうと威力は同じなのだよ。」


俺は悩んだ。


「エリーザベトさん、どうするべきだ?」


「君、短剣所有してたな。彼らに貸せばもしかすると・・・・」


「これ使えよ。6人で挑むぞ!」


俺は短剣を3人に投げた。


受け取る3人。


「・・・・おいおいマジかよ!何でこんなん3本持ってるんだ?というか、3人共月シリーズフル装備じゃないか?」


「・・・・詮索はなしだ!やれるか?」


「僕達を誰だと思ってるのかい?僕がああ言ったんだから、出来るさ。」


こうして無謀にもNハンターがドラゴンに挑む事になった。

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