第23話 とんでもなく大きな魔物が・・・・

親方がこっちに来る。


あれ?確かこの前たっぷり稼いだから3日ほど休暇にするって言ってなかったっけ?うん、こんちくしょお!!とか言いながら・・・・泣いてたっけ・・・・その親方が、別の意味で泣きながらやって来た。


「親方!今日ダンジョン休むって言ってませんでした?」


「うをおおお!ランナルか・・・・酷い目にあった・・・・」


「ど、どうしたんですか?怪我だらけじゃないですか?」


「バケモンに襲われた・・・・」



親方が言うには、一寸ガチャリたくなり、連絡のついた仲間たちと、一寸だけダンジョンで狩りをしていたそうな。


すると、何処からともなくダンジョンが揺れ始め・・・・


気が付けば他のハンターたちが逃げ出してきていて・・・・


親方と、仲間もそのバケモンに突き飛ばされたそうな・・・・


あれ?他の仲間って?


「親方?他の仲間は?」


「わ・・・・わからん・・・・俺はたまたま出口の方に突き飛ばされたから・・・・」



・・・・親方を責める事はできない。


何せ冒険者・・・・ダンジョンのハンターはあくまで自己責任。


チームを組むのも、効率よく狩りを、そしてアイテムを集めるためにしているのであって、不測の事態に遭遇した場合は・・・・まあ、他人の事なんぞ知ったこっちゃあねえと思おうが、絶対仲間を助けるんだ!と思うのも自由。


そして・・・・目の前にそのバケモンが・・・・


デカい・・・・


普段俺達が狩るのは、せいぜい人の2倍程度の大きさの魔物だ。


それが・・・・高さだけでも5倍はあるんじゃないか?横幅も・・・・


つまりは、5~8メートルぐらいの高さの、幅も・・・・幅はもっと?10メートルぐらいはないか?


ちょっとした建物ぐらいの大きさじゃないか!


なんだあれ・・・・


すると、流石のエリーザベトさんが


「ドラゴン・・・・こんな上層に出現するなんて・・・・信じられん・・・・」


「え?あれがドラゴン?」


話に聞いた事はあるが、俺達下っ端ハンターには縁のない魔物。


ダンジョンの最下層に住む、ダンジョンのぬし的存在。


晴れて討伐する事ができれば、ドラゴンスレイヤーの称号と共に、ナイトの称号を得る事ができると聞いた事がある。


尤も、複数の高ステータスパーティで挑む魔物。最低でもSRの武具をそろえないと無理。

そんなのが10人以上でかからないと仕留めれないんだとか。


それがこんな上層に、おもちゃ同然の武具しかない下っ端Nハンターには、どう逆立ちしても勝てない相手だ。


というより、一生お目に掛かれない存在。


あ、地上でも、山を縄張りにするドラゴンはいる。


「ええええ?あれがドラゴンなんですか?」


「ヘインチェちゃんそうだ。どうするか?3人では・・・・」


「なあエリーザベトさん、SSRフル装備で3人で挑めば・・・・勝てるか?」


「何を言ってるんだ君は?そんな都合よくフル装備なんぞある訳が・・・・」


「あるんだよ、3人分。」


俺はササッと2人に・・・既に鎧は着てもらってるからな・・・・残りの月シリーズを渡す。


「こ・・・・これは・・・・残りの月シリーズ・・・・」


「ランナルさん、自分以外のも持ってたんですね・・・・」


「話はあとだ!幸い鎧は着ている!靴はいて手袋はめて、ヘルメットかぶれ!」


2人に装着を急がせた。

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