第18話 ヘインチェの話

「実は・・・・プライベートな事なので、言いにくいのですが・・・・ランナルさんのガチャ履歴、調べました。」


「そんなのわかるのか?」


「ええ・・・後はダンジョンでのドロップアイテムとか分かりますよ?」


知らなかった・・・そこまで管理してるのか?


「で、何が言いたいんだ?」


「ランナルさん、レアガチャ一度も引いてませんね?」


「ああ・・・・俺はレアガチャどころか、課金ガチャは一度も引いてねえ。」


「え・そうなのか?」


驚くエリーザベトさん。


「ああ、チケット以外は回した事がねえ。」


そう、俺は一度も引いてないんだ。チケットだけだ。


一度課金してしまうと、歯止めがかからないと聞いた事があって、回した事がないんだ。


「では・・・・どうやってその装備を揃えたんだ?」


「・・・・それは言えねえが・・・・一応不正じゃない、とだけ言っておこう。」


「その事なのですが・・・・一度ダンジョンの課金ボックスでランナルさんは、神様に直接システムの不具合を報告しているようなのです。」


「ああその通りだ。そんな事もわかるのか?」


「ええ・・・流石にやり取りまではわかりませんけどね。」


「・・・・隠しても仕方ねえが・・・・他言無用で頼む。」


「ああ・・・・そんなに重大な話なのか?」


「ああ・・・・不正じゃない、と言ったが、明らかな不正だ。俺は神とやらにきちんと報告したが・・・・神とやらは、僕のシステムに不具合はないと言い切りやがった。で、もしそんなのがあっても不正扱いしないから、どんどんやってくれたまえと言ってたぞ?なので・・・遠慮なくやらせてもらってる。」


2人が信じられないと言った目で俺を見てくる。


「信じられないか?じゃあ・・・・今からアイテムをどんどん出す・・・・流石にデカいのは大変だからな・・・・装飾品でいいか?」


「あの、何を出すんですか?」


「ヘインチェちゃん、これだよ・・・・」


俺はSSRの装備品のうち、小さなものを・・・・アクセサリーだな・・・・を全部出した。


月シリーズが複数に、他のSSRもどっさり。

さらに・・・・


「月シリーズだけ、全部出そう。」


俺は鎧や剣、グローブなど月シリーズを出しまくった。


驚く2人。


「な・・・・何が起こっているんだ・・・・信じられない・・・・」



エリーザベトさんが固まった。ヘインチェちゃんもだ。


「鑑定すれば判るが・・・・全部本物のはずだ。」


暫く待つ・・・・


「信じがたい事だが・・・・全部本物だ・・・・一体どうやって・・・・」


「それだけは言えない・・・・もしあんたらと結婚しても言えない。だが・・・・俺は見つけてしまったんだ。システムの欠陥を。それもたまたま偶然だが。」

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