第11話 早速絡まれた・・・

「おい!にーちゃん!我らのヘインチェちゃんを連れて何処へ行こうってんだ?」


俺は知らない冒険者に肩を掴まれた。


うわ・・・めっちゃ強そう・・・・


「・・・・放してくれないか?」


「んだとてめえ!」


そいつはいきなり殴りかかってきた・・・無防備な顔に。


やばいと思い、咄嗟に腕でかばう。


ごん!という音と共に俺の腕に奴のげんこつがぶつかる。


「うぎゃああ!」


その男の悲鳴がギルド中に響き渡る。


「俺が何したって言うんだ?」


内心ドキドキだ。


顔は無防備だからな・・・・当たれば大ダメージだぞ。


「何だてえめえ・・・・いったいどういう装備してやがんだ?くそったれ・・・・」


「きゃあ!やめて下さい!ギルド内で喧嘩なんて!」


受付の女性が悲鳴を上げながら言う。


喧嘩って言っても・・・・俺顔守っただけだぞ?


「あ・・・兄貴・・・・てめえよくも兄貴を!」


あ・・・やばい背後だ・・・・俺が振り返ると・・・目の前にこぶしが・・・・

だけど、それを掴んで止めさせた人がいる。


「やめておけ。お前らの敵う相手じゃない。あいつが本気になれば・・・・君達死ぬぞ?」


「う・・・・てめえは・・・・」



すると、腕を押さえていた野郎が・・・・


「あ・・・やべえ・・・ちっ!今日の所は勘弁してやらあ!行くぞお前ら!」


去って行った・・・・


えっと俺が何したって言うんだ?


「・・・・君も白昼堂々と女性を誘うとか・・・・少し控えてもらいたいものだな。」


俺はその凛とした声に思わず振り向き・・・・唖然とした。


小柄な・・・・女性だった。

俺そんなに身長高くないが、さらに小さい。

150センチあるかないか。


だが・・・・その美貌に、俺は思わずじっと見てしまう。


今まで見てきたどの女性より・・・・もてない俺だから、遠巻きに見ただけだけど・・・・その女性は整った容姿の持ち主だった。


装備も・・・・見た感じ素晴らしい。


「何を見ている?」


「あ・・・すまない・・・驚いたんだ・・・俺、女性とそれほど接した事ないけど・・・・今まで見たどの女性よりその・・・・美貌の持ち主だなあと・・・・きっと俺生まれてこの方あんたよりきれいな女性見た事ねえや。」


あ・・・その女性、みるみる顔を真っ赤にさせる。


「な・・・・何て事を言うのだ君は!受付嬢を誘い、この私まで口説くとか!信じられん!」


・・・・泣いていい?


「その・・・・気分を害したなら御免ん。俺その・・・誘うとか意味わからないんだが。受付の女性には、尋ねたい事があったから・・・・奥の部屋で話がしたいと言っただけだ。」


「なに?それは本当か?」


「ああ・・・・あ、そうだ、じゃああんた、知ってるなら教えてほしいんだ。」


「・・・・エリーザベト・ツァイアーだ。」


「あ・・・俺、ランナル・エクヴァル。」


「あ・・・あの・・・・わたしどうしたらいいんですか?」


「あ、悪い・・・じゃあえっと・・・・ヘインチェさん?さっきの野郎がそう言ってたけど・・・・それと・・・・エリーザベトさん?俺混乱してるけど、時間があれば一緒に奥の部屋で話を・・・・」


「・・・・よく分からんが、やましい事をするのが目的ではないのだな?」


「やましいって何をだよ!断じて違う!」


こうして俺はエリーザベトと出会った・・・・微妙な出会いだったが・・・・


「ねえちょっと、ヘインチェさんとも出会ったんだけど?」


あ、そうだった・・・・今後、俺の担当になるらしい・・・・

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