第3話 N・HNスキルと馬鹿にできない

俺は他の人に比べて、ステータスが低い。

何故?


皆力だの体力だのに力を注いでるが、俺はそっちじゃなく、スキルに力を入れている。


カバンがそうだ。


あと、Nだが鑑定がある。

使えば育つから、最初のとっかかりで持っていさえすればいい。


今はHNまで育ってる。


何が鑑定できるかといえば、同じNでも、それぞれ数値が違うからだ。

1から5までのばらつきがある。


俺は皆には悪いと思うが、俺の取り分は4とか5を選んでいる。


誰も鑑定を持っていないからだ。だからできるんだが。


実は売却時に差が出る。しかし、いちいちそんな事を気にするような連中は、そもそもNハンターにはいない。気にするような敏い連中は、さっさとHNやRハンターに昇格しているはずだ。


まあ、最下層でNばかり集めてる連中と言うのは、得てして脳筋ばかりだ。それも上に上がる力もない・・・・


俺はいつか成り上がってみせる!と思ってはいるのだが、現実は厳しい。


そして今・・・・


「おい、何ぼーっとしてやがる!お前もたまには戦え!」



「あ、はいすいません親方!」


今回出現した魔物の数が多く、俺も戦わざるを得ないようだ。


因みにNは売却金額は銅貨5枚(500円)と非常に低額だ。


それをひたすら数で勝負!な感じで集める必要がある。


だが、メリットが無いわけじゃない。


同じアイテムを10個売れば、ノーマルガチャ券が一枚もらえ、上手くすればHNが出るからだ。

ごくまれにRも出るらしいが、仲間内には出た事がある奴はいない。


それと、最低でも一人10個はアイテム確保しないと、その日の暮らしが厳しい。

出来れば20個以上売りたい所だ。


あ、あと何故か11個アイテムを売ればガチャ券を1枚くれるんだ。

因みに同一アイテムを11個売れば、2枚ガチャ券をくれる。俺の魔法カバンはこうやって手に入れたんだ。


そんなある日、たまたまなのか、同じアイテムばかり出現する日があった。


いつもはランダムにアイテムが手に入るのだが、この日は剣ばかり出現する。


仲間内でも、

「このダンジョンでは珍しいな。」


と言っている。


ああ、同じアイテムばかり出現するダンジョンもあるんだ。

だが、それでは需要と供給のバランスが悪いから、そこで狩る奴はあまりいない。


そんなある日、俺は疲れたのか、ボーとしていた。


アイテムの換金場所での事だが・・・・



各個人が換金ボックスにアイテムを投入すると、その数に応じた金とガチャ券が手に入る仕組みになっている。


今回皆同じアイテム11個ゲットしているから、

「ガチャ券2枚ゲット!すげえな!」


と喜んでいた。


あそうそう、余ったアイテム・・・・人数で割れなかった分は、俺がこっそり貰ってるんだ。


俺のアイテム頼りだから、皆見て見ぬふりをしてくれてるんだが。


そして・・・・疲れはてた俺は、ぼーっとしながら換金ボックスを操作をしていた為、何時もはしない事をしてしまった。

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