エピローグ
君を変える魔法(1/2)
しかし残された二人はしっかりと連携がとれていたし、先にケントに
対外的に見ればなんてこのないその順位と成績だったが、約二名にとっては大きな進歩であり、本当の意味で彼女らが勝ち取った成果だった。
彼女らは変わった。もう彼女らを落ちこぼれなどと
二人に必要だったのは、分かりやすい
二人の可能性を信じ、
そして、変わったのは二人だけではなかった。
「……………ん」
顔を上げると気付かれるとは思っていなかった相手が少し
「――集中していたように見えたんだが」
「集中はしてたよ。本を読みながら、周囲に気を
「
「一つ。〈
言葉を
その
「本当に君は、常に
「ああいや!いい意味で!いい意味の変人だ!」
フォローになっているのかどうなのかよく分からないが、あわあわとそう取り
「いい意味の変人って……なんなんだよ」
「それは、あれだ……なんだろう……?」
自分で言っておいて首を
「……ケント、最初に会った時と
そう言ってマルティナは
「そうかな?」
「そうさ。最初の
横並びに
「今は、魔法を
だが決して
「いや、今は、してない」
「誰かと話してる時は、解除するようにしたんだ」
ただ単に会話をするだけなら魔法を
相手が何を考えているのか、ケントをどういうふうに見ているのか。その
「そういうところだよ」
すぐ近くから聞こえてくる彼女の声。その
だがそれ以上を読み取ることは、ケントにはまだまだ訓練不足と言えるだろう。
「あーッ!!」
マルティナから視線を逸らした先、視界の
彼女は
ケントの前まで近寄ってきた彼女は
「はぁ……はぁ……先を
息を切らせて
「どうしたリア。そんなに急いで」
なぜ彼女がそんなに急いでいたのか分からないケントが首を
「……………」
チラリとケントの
「何でもないです……」
明らかに何かあるような
そしてリアの
「そんなに急がなくても大丈夫だ。今日はリアがケントに魔法の訓練をつけてもらう日だろう?順番は守るさ。ただし、明日は私が剣の
そんなことを言うマルティナに
マルティナにその気があるかどうかはさておき、今のところリアにとって最大の強敵はマルティナである。
そしてそんなリアの戦いの
「二人とも、もう落ちこぼれとは呼べない。そろそろ毎日僕と
と、こんなことを口にする。
それには一人は少し不安げに、一人は自身の戦いの先の長さに表情を
「いや、私はまだそんな
そう言ってマルティナは立ち上がる。
「言っただろう?私は君のようになりたいんだ。だったら君に教えを
これが、かつて落ちこぼれと呼ばれた者の姿なのだろうか。
彼女を変えたのは、ケントという
その目標が高ければ高いほど、彼女はどこまでも高みへと
「ケント君はさ……」
リアがおずおずと
「いつも私達と一緒にいるの、
それは少しずるい言い方だったかもしれないと、リア本人にも分かっていた。
「あ、いや、その……やっぱり、ケント君も自分のための時間が
私には無理。
そう思っていた彼女が、一歩
君ならできると、前へ踏み出すことを教えてくれたのは、その背中を押してくれたのは。
「私は……!」
一歩、恐れずに、前へ。
「毎日でも、ケント君に会って、いろいろ教えてもらったり、いろいろお話したり、したい……です……」
さしものケントも、もじもじと小さな
「あー……その、なんていうか……」
リアの
「嫌じゃないよ。人に教えると、自分の
違う、それだけじゃない。
もっと他に言うべきことがある。
気恥ずかしくても、この二人には、伝えておきたい言葉がある。
「リア、マルティナ。二人は、僕がこの学校に入学して、初めてできた友達なんだ。だから、二人といる時間は、とても、楽しい……」
なんともむず
マルティナは笑みを浮かべていたが、リアはなんとも
「あー……ごほん。そろそろいいかしら」
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