天才の証明(7/8)
「デイ/オル/エテ/エテ/エファ/ウエル――」
「〈
青白い
「ファル/エファ/ウラ――」
だがそれよりも速く、
「〈
待機詠唱によって
「〈
振りぬいた手から放たれた
「うぅ……!!」
手の甲でゴシゴシと目を
「
魔法師同士の戦いでは
「まぁいいわ。どうせ結果は変わらない。アンタは私には勝てない。だってアンタは落ちこぼれなんだから」
エリスの
視界は
次にポシェットをまさぐる。残っている
〈
別の術式の
自分は
それが裏目に出た。まさか一対一の状況になるなど想定していなかった。
それでも、
(負けたく……ないッ!!)
口元をキッと結び、涙の
ポシェットの中身を全て
「勝てないって言ってんのに……なんでそんな顔してんのよッ!!」
〈
「〈
エリスの放とうとしている魔法の内容が分かった瞬間、リアは横にステップを
直後吹き
だがその突風の中、リアの身体は
閉じられた両の
「なっ!?」
エリスが
リアは吹き荒れる突風の中になる魔力の流れを、その第三の眼で
魔法科一の落ちこぼれ。誰もがその肩書きのせいで忘れていたが、彼女は生まれつき魔力の流れを視ることができる器官を持ったマギアス。本来ならばもっとも魔力の
意識などせずとも、
「シュル/ツェル/ハス――」
走りながら、呪文の
「待機詠唱もなしにッ!!」
「〈
エリスから突き出された光の槍を、リアは、
「〈
まるで盾を構え、敵陣に
そう、リアが
初めから後の先を取られることを
まだ消え切らない盾と槍の
「!!」
エリスが口を動かそうとするが、もう
「〈
リアは
そして――
「ッ!?」
その手は、
〈
(不発――!?)
エリスが口の
「ハス/アド/エムル/エムル/エファ/ウエル――」
その
前に
「ッ!?」
力を込めた右足首に
「〈
エリスの振りぬいた
後ろに
「フ、フフフ……天才の作った
リアとは別の理由で
「はぁ……はぁ……ちが、う……!」
「この
自分が努力によって勝ち取った結果も天才のおかげと言われ、失敗さえも天才のせいと言われる。
それは、リアそのものの否定に他ならなかった。
「馬鹿言わないでよ……
「簡単じゃ、なかった……ッ!!」
それは怒りだった。
何も知らないくせに。
私がどれほど努力したのかも知らないくせに……!!
「魔法式の図面を見ながら、何度も何度も書いた!何度も何度も何度も何度も何度も何度もっ!朝起きてから授業が始まるまでの時間、休み時間、
続けた。
やめなかった。
なぜなら――
君ならできると、そう言ってくれた人がいるから。
「それでも……それだけしても、まだ
深く息を吸い、
そして、真っすぐに相手を見つめる。
「成功も失敗も、全部私の実力。自分が努力できないからって、私の努力を否定しないでっ!!」
エリスが、たじろいだ。
だが――
「う、うるさいッ!!私だって、私だってケント・バーレスと同じ班になれていたら……!!」
つまりエリスは、ケントと同じ班になったことで落ちこぼれから
あの魔戦科一の天才と同じ班になれれば、私だって。ケントに
「確かにそうかもしれない。私はケント君と同じ班になれて幸運だった。でも、そのことは今関係ない!」
左手を前へ。
「ねぇ、あなたはさっき、落ちこぼれの私に負けたら自分が落ちこぼれって言われるって言ったよね?だったら……」
もう走れない。ならば、できるのは――
「私がここで、落ちこぼれじゃないって
「このッ――!!」
二人同時に呪文の
「〈
攻撃魔法を放ったのはエリス。
「〈
それをリアの防御魔法が
「〈
横殴りの
「〈
しかし、それによってリアは
魔法師同士の
だから、リアは――
「スゥゥ――」
まだ〈
ケントに出会ってからやってきた訓練は、
そして、待機詠唱は魔法師にとって
「〈
魔法を発動させる最後のワードが口にされ、手の平から魔力が放出される。それが脳内の術式によって形を変え、白い
「!?」
まだまだ
だが、その稲妻を受けたエリスは、ゆっくりと前に倒れ込んだ。
「そこまで!勝者、十一班!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます