天才の証明(5/8)
「やああぁぁッ!!」
ガツンッ
「くっ!?」
突進の勢いそのままに、大上段に振り下ろされた木剣の一撃を受けると
(重い……けどっ!)
反撃の一撃を振るいつつ、オットーは記憶を
そもそもリザイドという人種そのものが
二撃目、三撃目とマルティナの攻撃をオットーが受け止める。彼女の動きは
だが――
「ぐぅぅ!?」
四撃目の攻撃を受け止めたオットーが
とにかく一撃が重い。
(基本の型そのまんまなのに……この馬鹿力め……!)
マルティナの攻撃は読みやすい。それは剣の基礎練習である型をそのまま
そんな剣を習い始めたばかりのような
その
「魔法はまだ!?」
「アンタが射線に入ってくるから撃てないんでしょ!?」
そこではたとオットーは気付く。マルティナの背後、そこから二メイトルほど離れた位置にぴたりと
射線を通そうとエリスが横に回り込もうとすると、エリスとの間にオットーを
自ら危険な前線に飛び込むことで、魔法同士の撃ち合いを
「近いんだからアンタが一発当てればいい話でしょ!?」
エリスの言葉は決して間違いではない。リアが前に出てくるというのならば、なんとかオットーがマルティナを
「――ふぅぅぅッ」
オットーは深く息を
マルティナの攻撃は見切れる。ならばそれを躱して奥へと走り抜けるのも難しいことではない。距離が
手の平が痛い。こんな勝負早く終わらせてしまおう。
オットーが
「させるかッ」
オットーの重心移動に反応したマルティナが
ウルフェンの肉体はその
オットーの新緑の
魔法科の少女が肩からかけたポシェットに手を突っ込み、何か口にしようとしている。だが何をしようが
木剣が空を裂き、オットーが勝利を確信した
「――〈
ポシェットから引き抜きざまに振り払われた小さな手。その
数メイトル空を飛び、その後
「がっ!かはっ……」
地面をぐるぐると転がって全身砂まみれになったオットーが
「
信じられないと、そしてわなわなとエリスは首を振った。
それはエリスとリアを
しかし、エリスははたと気付いた。
ポシェットから引き抜いたリアの右手、その指の間に小指ほどのサイズの白い棒状の物が
そう、それこそがケントがリアに持たせた秘策。
「――反則……反則よッ!あの天才に作ってもらったのね!?
エリスは指をさして叫んだ。
それはもはや実戦で使われることなどまずない
魔法とは魔法文字を頭で意識することで発生する。つまり魔法文字を脳内で
それが
詠唱なしで魔法を放たねばならない場面、それは当然、
誰も見向きもしないその技術に、リアは
「ちゃんと先生に許可はとったよ。だから
リアのその言葉にエリスは横目で
ギリッとエリスが
「――あの天才と、ケント・バーレスと同じ
何が彼女をそこまで
「これで終わらせるッ!リア!
マルティナがエリスに向かって走った。この距離ならば、エリスの
これも事前に決めていた作戦の一つ。待機詠唱が使えない分、どうあってもリアはエリスに後れをとる。
だが、
「く、うぅ!!」
マルティナの
オットーら十四班の
ワンマン故に成立する
同じ班ではあるが、友達ではない。だからこそ、自分を
カァン!
マルティナのフェイントの
「この……!手に
それを耳にとめたマルティナは、
「そんなもの、もう
気合い
「――〈
「「ぐああああああッ!?」」
マルティナとオットー、木剣によって
「そうよ……最初からこうすればよかったのよ……」
雷撃を放った
「ぐぅ……こいつ……仲間ごと……!!」
マルティナはうつ
「いくら
もはや、
彼女の中では成績以上に勝つということが重要だった。これはそのための選択。
勝利するということを第一にした場合の
「どうして……そこまで……」
仲間を攻撃するなど、どう見ても
「どうして……?そんなの、簡単じゃない」
何を当然のこと、というふうに。
しかし、その顔面には
「落ちこぼれのアンタに負けたら、私が落ちこぼれって呼ばれるッ……!私がみんなから
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