他学科合同小隊演習(2/3)
教師に案内された通りの場所に
これから一年、共に学び、共に戦う者達。
「え?ええええええ!?う、嘘ぉ……あわわ、ど、どうしよう……まさか、ふええぇ……」
と、
この場にいるということはケントと
「まさか、学校一有名な天才さんと同じ班になっちゃうなんてぇ……うぅ……」
他の生徒ならば
マギアス。彼女の種族はそう呼ばれる。その最大の
(マギアス……ということは、魔法科……)
その
(嫌われて、いるのか……)
明らかに少女の反応はケントと同じ小隊になったことを
「ん、君も十一班か?」
と、すでに待っていたもう一人がケントに声をかける。声の方へケントが
「私は普通科のマルティナ・トレンメル。見ての通りリザイドだ。よろしく」
マギウスの少女とは違い、好意的に
こちらも異性。自己紹介の通り、その
「ところで、君は有名人なのか?なんだか周りが
マルティナと名乗ったリザイドの少女がそんなことを聞くのでケントは周囲に気を
ケント、マルティナ、そしてマギアスの少女。その三人の組み合わせに他の班の者達が色めき立っている。
――あの子って……嘘、まじ?
――うわ、天才終わったな……
――でも
――いやいや、三人目も
何か、自分以外の二人にも注目が集まっているようでケントは首を
どうやら同じ班のこの二人の少女も有名人のようであった。
「すまない。あまりその、
誰かに名前を
「ケント・バーレス。魔戦科」
「ふむ。じゃあ他の者はいないようだし、この班は三人班のようだな」
そこでケントとマルティナ、二人の視線がマギアスの少女へと向く。
「うぅ……リアです……リア・ティスカ。魔法科です……」
なぜだか落ち込んだ様子で自己紹介するリア。
と、班分けの結果に
「はいはーい。お
一瞬で生徒達が静まる。
「これから皆さんはその隣にいる人達と共に試験を受けてもらいます。二年生では、
フランツィスカ・シュタイン。二十八歳。いまだ、
実際このシファノス陸軍学校の男女比は半々。優秀な人材に性別は関係ないという思想の下、教師陣の男女比も同じでありフランツィスカが学年主任を
「それでぇ、本日の予定なんだけどぉ。我々教師陣はとぉっても優しいのでぇ、皆さんが仲良くなれるように協力したいと思います!」
そう言う学年主任の表情はどう見たって優しくはない。
「今日はさっそくその小隊で演習を行いたいと思います!」
フランツィスカの言葉に合わせて近くの他の教師が何やら時間割のようなものが書かれた紙を広げて生徒達に向けて
「一班から順番にここで行うので、
(吐くような、内容なのか……)
ケントの
「待ってる間は教室か図書室で自習、またはここの見学ね。他の班の様子、気になるでしょ?一班は次の機会では順番変えるから
その一言でまた
「私達はどうするんだ?」
と、マルティナがケントに問う。リアもおずおずとケントの言葉を待っている。エリートクラスである魔戦科という点と、一人だけ男という点で自然とケントが十一班のリーダーのような空気になっている。
「見学で」
「当然だな」
マルティナが
「うぅ……」
何やら思うところがあるのか、いまだ
演習場ではてきぱきと教師陣が準備を進めている。生徒達から残された四人小隊の一班の面々が
リアの
教師達はまず、
「ただの土ではありませんよ」
そう言ったのは魔法科の担任、アルバート・フロイネン。
「ペディム/ウラ/ペディム/ペディム/エファ――」
呪文。自身の体内に存在する魔力という力を
「〈
そして、最後のキーワードとなる言葉が
アルバートの魔力を受けた土の塊がもこりと動き出し、意思を持つかのように
「演習内容はいたって簡単です。今からこの
眼鏡の奥の切れ長の
「こんな
つまり、最初にフランツィスカが言った仲良くなるための協力など嘘っぱち。この演習はすでに成績を評価する試験ということだ。
あまり親しくない者とも即座に連携し、効果的に戦果を挙げられるか。それを試す
「まぁあれだねー、二年最初の小テストって感じだねー。見せてもらおうではないかー、君たちが一年何を学んできたのかを」
演説台の上に
「急ですから多少のアドバイスをしますと、
他学科合同小隊演習、その一回目の試験が始まったのである。
なお、その試験を最初に受けることになった第一班は、開始早々、全員行動不能になった。
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