ファイナルシーズン 新時代の産声

第10ー1話 後始末

長きに渡った神族達による大陸大戦が終わり時代がギリシア神族の時代から日本神族による時代が到来した。



世間ではこの一連の大事件を「オリュンポス事変」と呼ぶ。



そして新時代の到来によって大きく変わった天上法や領地などの整理をしている天王となった虎白は神話となった竹子達と共に天上界全域の地図を見ていた。



終始浮かない表情をしている虎白がじっと見つめているのは西側領土だった。



ゼウス死亡の知らせを聞いたアレクサンドロスと西の諸将は撤退をしたが、それ以降一度も虎白の目の前に姿を見せていない。



再三に渡る虎白からの呼び出しも、マケドニア訪問の許可も返事がなかった。



まるでまだ諦めていないと言っているかの様に。





「はあ・・・あいつは俺を許せねえだろうな・・・」





浮かない表情のまま、黙り込む虎白を心配そうに見つめる竹子は「話し合ってみようよ」と小さい声で話していた。



だが、アレクサンドロスにその気はなかった。



すると恋華が無表情のまま、部屋に入ってくると「何を悩んでいるの?」と淡々と話していた。



地図を見た恋華は西の取り扱いに困っていると気がつくと安良木皇国軍の配置を話し始めた。





「ちょ、ちょっと待て恋華。」

「待たない。 西側領土攻略に入るの。」

「きっと話せばわかってくれる・・・」





友であるアレクサンドロスを殺したくない虎白は表情が歪んでいた。



だが恋華の瞳は氷の様に冷たく、静かに首を左右に振っていた。



「猶予はない」と冷酷に話すと白陸軍ではなく故郷の安良木皇国軍の派兵を決定した。



人間としての優しさを持っていない恋華からすればこれはただの脅威の排除にすぎない。



何故、反乱を起こす可能性が高いギリシア軍を放置したがるのか恋華には理解できないのだ。



すると神話達が続々と部屋に入ってきた。



呆れた表情で恋華は神話達に事情を話していた。



話を聞いていたエヴァは虎白の隣に来ると肩を優しく叩いて背中をさすっていた。



エヴァはそっと口を開くと「気持ちはわかるよ」と話した。



更に続けたエヴァは「でもね」と口を開いた。





「彼は間違いなくうちらの事は良くは思ってないよ。 話し合いで解決できないなら覚悟を決めないとね。」

「わかってるよ・・・俺はもう一度行ってくる。」





そう話すと虎白は城から出ていった。



虎白が足早に向かった先は宮衛党だ。



すると衛兵達が出てきて虎白に敬礼している。





「白斗はいるか?」

「殿下はいらっしゃいますよ。」





衛兵に案内されて白斗の元へ向かった。



息子と話をするのは北方遠征以来だった。



扉を開くと広い中庭で刀を振るいながら上裸の肉体美を見せている息子の姿があった。



虎白は椅子に腰掛けると白斗を見ていた。



気がついた白斗は「あっ」と気まずそうに刀を鞘に戻した。





「随分と上達しているな。」

「ええ、まあ。」

「ちょっと出かけないか?」





突然の事に驚いた白斗は目を見開いて「どこへです?」と返した。



椅子から立ち上がった虎白は耳をシクシクとかきながら「お前の協力が必要だ」と話すと手招きをしている。



首をかしげた白斗は着物を着ると虎白を追いかけた。



やがて城に着くと白斗は虎白を呼び止めた。



「何をするのか言ってください」と眉間にシワを寄せている。



白斗が父に対する不満の一つはこれだった。



いつも虎白は自身の頭の中で何か考えが進んでいるが、肝心な事をその時が来るまで話さないのだ。



情報を漏らさない様に長年務めていた事と話さなくても理解できる竹子達の存在が虎白をこの様にしてしまった。



困惑する白斗に虎白は「ああすまんな」と何をするのか説明を始めた。





「アテナを説得してくれ。」





白斗はまたしても不快感をあらわにした。



突如呼び出されたかと思えばこの様な絶句してしまいそうな事を平然と言うのだ。



大きくため息をついた白斗は城にある椅子に座り込んで「無理ですよ」と話した。






「俺はお前の事を大切に思っている。 でもお前は気に入らないんだろ? あの戦いで兄弟も親も失うと理解していたのに降伏したのはアテナだけだ。 お前らはきっと親の事が理解できないんだろ。」





虎白が話したアテナの説得とは、彼女を使ってアレクサンドロスを説き伏せるつもりだった。



しかし白斗には話の全貌が見えていない。



それは日頃から宮衛党に籠もって世界を見ようとしない事にあったが、それもこの親子の価値観のズレにあるのかもしれない。





「説得って何をですか? また妻にでもするのですか?」

「アレクサンドロスに引退してもらいたい。」

「なるほどギリシア神族ならあるいは。」





うなずいた白斗は乗り気ではなさそうだったが、アテナが皇国兵に見張られている牢屋に向かった。



巨大な収容所にはアテナ軍団の生き残りも捕虜となっていた。



皇国兵が厳重警戒で常に弓を構えている牢屋を歩いているとアテナの姿を見つけた。



白斗は一目で彼女がアテナだと理解した。



ブロンドの髪に美しい筋肉質の体。



この世の者とは思えないほど色っぽい雰囲気から彼女が戦略の神であると直ぐに理解した白斗は「アテナ」と名前を呼んだ。





「鞍馬のご子息ね。」

「話がしたい。」

「歓迎するわ。 何もする事もないから。」





白斗は衛兵に話して牢屋を開けさせるとアテナの前に来て座り込んだ。



アテナは「何ももてなす事はできないわ」と自身が捕虜であり、今後の自分の処分がどうなるかもわからないと話していた。



すると白斗は大きく息を吸って話を始めた。





「あんたは自分の父をどう思っている?」





アテナはその一言だけで白斗が虎白と上手くやっていないと理解した。



同時に虎白の白王隊を率いていなかった事を思い出すと信頼もさほどされていないのだなと理解した戦略の神は表情を変える事なく「私の父?」と返した。



すると白斗は「そう言っただろ」と少し口調が強まった。



あえて話を聞いていなかった様な反応をする事で白斗が我慢強い者なのか試していた。



アテナは「どうかなあ」とはぐらかす様な返答をすると白斗は「俺は親父がわからねえ」と先に話を始めた。



一瞬口角を上げたアテナは「話なら聞くわ」とあぐらをかいて座る白斗の足を滑らかな手付きで触っている。





「大勢の妻を持って、戦争ばかりする親父が・・・戦争のない天上界を作りたいと話すが自分に逆らう者は全て倒す。 そんな親父が戦争のない天上界なんて作れるのかな・・・」





うつむいて話す白斗はアテナに相談でもしているかの様だった。



するとアテナはくすくすと笑い始めた。



「何笑ってんだよ」と眉間にシワを寄せているとアテナは話を始めた。





「あまりに純粋だから。 私は敵じゃなかったの?」

「降伏したんだろ。 なあお前はゼウスをどう思うんだよ?」





真剣な眼差しで話をする純粋な皇太子を見たアテナは父であるゼウスの死を予感した上で降伏した理由を話し始めた。



「何よりも私は戦略の神よ」と負ける戦いはしないと話し始めた。



戦略の神と言われる彼女の戦いは凄まじかった。



竹子達4人を相手にしながら自身の軍団を自在に操って挟撃をしていた。



反撃に出た白陸軍には伏兵での奇襲で対処していた。


その間もアテナは4人もの当時の宰相と戦っていたのだ。



まさに戦略の神だ。



白陸軍の原動力となる竹子達を自身で止める事で動きを鈍らせた。



そんな天才的な軍略を披露していたアテナでさえ予想外だったのが日本神族の出現だ。



ツクヨミに攻撃されると即座に降伏をした。



アテナはこの時の事を白斗に話していた。





「本当に驚いた。」

「死んでも戦おうとはしなかったのか?」

「私はアレスとは違うの。 生き残って最後まで立っている事が大事でしょー?」





この時アテナは白斗を既に利用しようとしていた。



彼女が言う最後まで立っているとは何を言っているのか。



白斗は彼女がゼウスをどう思っているのか知りたかった。



アテナは「父の事だったね」と話を戻すと笑みを浮かべた。





「確かに女癖の悪い父だったわ。 娘である私も何度も誘われたわ。」

「マジかよ・・・」

「でもね神族ってそう言った作りなのよ。」





彼女が話した神族の性質は人間では考えにくい事だった。



それは例え血族者であっても体液を共有すると恋愛感情を抱いてしまうという性質だった。



アテナは驚く白斗に説明をしていた。



ゼウスが娘であるアテナを性的な目で見ていた理由を。





「ずっと昔だったけれどね。 死にかけた事があってね。 アレスが無茶するものだから。」





アレスの暴走を止めようとしたアテナがそこで致命的な負傷をした。



神族は唾液などの体液を与える事によって神通力が回復するという特殊な体質だった。



ゼウスは最愛の娘を死なせまいと自身の体液を娘に移した。



だがその結果、抑えきれない娘への欲望が爆発してしまった。



家族を救いたい一心が我を失うほどの性的欲望へと転換してしまったのだ。



驚く白斗にアテナは続けた。





「いつか鞍馬も同じ事をする。 皇国で暮らす鞍馬の兄が子供を授からない理由は我が父を見ていたからなのでしょうね。 記憶を操られてもなお賢明な神族だったのね。」

「じゃ、じゃあ親父は・・・」





アテナはじっと白斗を見ていた。



敵である自分へ相談に来てしまう白斗と彼が話す「親父がわからない」という言葉。



そして妻が大勢いるという事から未熟な白斗に対して誰かが新たな子供を用意しようとしていると感じた。





「鞍馬が我が父と同じ道を歩むかどうかは私にはわからない。 でも可能性は大いにある。」

「そうなのか・・・」

「それで本題は? 父の事ではないでしょう?」





アテナには全て見透かされていた。



白斗の反応はあまりに純粋で交渉には向かなかったのかもしれない。



「何をしろと?」と尋ねるアテナに白斗は「親父がアレクサンドロスを説得してほしい」と話していると説明した。



するとアテナは黙り込んでいた。



しばらくするとアテナは「彼は私が戦いに加えたの」と話していた。





「きっと私が何を言っても聞かないわ。」

「でもやってみる価値はある。 俺達じゃもっと可能性はないんだから。」

「ふふ。 あなたは純粋すぎるけど決して無能ではないわ。」




アテナは実に賢かった。



この状況でアレクサンドロスへの交渉に努めれば自身が掲げている信念である「最後まで立っている」という考えは達成できる。



鞍馬に恩を売って無駄な争いを避けさせれば。



幸い目の前にいる未熟な皇太子は父の鞍馬虎白から言われた命令の実行に精一杯で細かな機転は利かない。



アテナは口を開いた。





「交渉はやってみる。 でも条件が一つ。」

「なんだ?」

「交渉が成功してもしなくても我々にもはや敵意はない。 協力した見返りに我らを到達点の守り手にしてもらいたい。」





到達点の守り手とはかつて皇国が務めていた役目だ。



これこそがアテナの狙う所だった。



最後まで生き残った唯一無二のギリシア神族となる。



そして守り手は天上界と到達点の間にある場所だ。



日本神族からの干渉もなく、無謀な兄弟も性的に見てくる父もいない自分だけのギリシアの国を作る事ができた。



アテナからの要求に驚く白斗は逃げ出す様に牢屋を出て虎白の元へ走り出した。





「ふふ。 もしあの時、彼女ら4人ではなく彼だったら牢屋に入っていたのは鞍馬の方だったのにね。」




虎白にしがみつく勢いで駆け寄ってきた白斗は会話の内容を説明していた。



少し笑みを浮かべた虎白は「構わねえ」と話すと自分の足でアテナの元へ向かった。



白斗は虎白の後ろについていった。



牢屋の前に来ると「よお」とアテナを見ていた。





「あら鞍馬。」

「アレクサンドロスの説得任せていいんだな?」

「いいわ。 上手くいく自信はないけど。」

「んで到達点の守り手になりたいんだったな?」

「そうだったかしら?」





アテナがとぼけた顔をすると白斗は激昂して「言っただろ」と声を上げていた。



虎白に嘘をついていないと信じてもらいたい白斗は必死だった。



アテナに遊ばれているというのに白斗は気が付かずヒラヒラとあしらう態度に腹を立てていた。



虎白は表情一つ変える事なくアテナの目を見ている。



その気配の強さと言葉すら発さないのに何も反論できないと思ってしまうほどの威圧感を前にアテナは白斗で遊ぶ事を止めた。






「てめえくだらねえ事言ってると知らねえぞ? お前にもこれが最後の機会なんだぞ?」

「わ、わかっているわ。 ご子息があまりに純粋でつい。」

「それがこいつの良い所なんだよ。 俺の言われた通り説得に行くな?」

「行くわ・・・」





すると虎白はアテナを連れ出してマケドニアに向かわせた。



彼女だけをマケドニアに送れば何が起きるのかは明白だ。



アレクサンドロスと共謀して反乱を起こすだろう。



アテナ軍団の兵士に見た目を変えた虎白と衛兵は彼女のすぐ後ろで交渉を見る事にした。



























マケドニア。



オリュンポス事変が終結したにも関わらず西側領土は臨戦態勢だった。



彼らもまた、皇国や白陸からの報復が来ると感じていた。



神話アテナの来訪は彼らに反撃の希望を与えてしまう。



虎白はアテナに平民の服を着させた。



そして顔を布で隠させた。





「屈辱だと思ってんだろ? 俺らが受けた屈辱に比べれば可愛いもんだろ。」

「く、鞍馬・・・」

「ああ?」

「ごめんね・・・フレイヤの事・・・唯我塚の事も・・・」





アテナは虎白に謝罪をした。



大陸大戦で起きた惨劇を彼女は鮮明に覚えていた。



だがあの時、アテナはあまりに若かった。



並びに虎白も若かった。



虎白は目に涙を浮かべると「別にお前がやったんじゃねえだろ」と声を震わせると「いいか」と何かアテナに話そうとしている。






「お前が降伏してくれてよかった。 大陸大戦での事はお前は仕方ない。」

「そう言ってくれるの?」

「ああ。 お前はまだ15歳だった。 俺と歳は変わらないだろ。」

「そうね。」

「俺はお前に生きていてほしい。」




どうしてか。



鞍馬虎白という男はどうしてこうも女の心を射止めてしまうのか。



アテナは立ち止まって下を向いていた。



声を震わせて「ありがとう」と笑っていた。




「到達点の守り手は任せる。 だから友を救ってくれ。」

「やってみるよ鞍馬。」




そしてマケドニアの衛兵に姿を変えてアレクサンドロスの部屋を目指した。



道中で文官や女に何度も姿を変えて何とか部屋の前に辿り着くと虎白と護衛はアテナ軍団の兵士に見た目を変えた。



扉を開けたアテナが部屋に入るとアレクサンドロスはワインを床に落として唖然としていた。





「あ、アテナ様・・・?」

「ええ。」

「そのお姿は・・・」

「生き延びたの。」





平民の衣服を身につけるアテナの姿を見たアレクサンドロスは愕然としていた。



戦略の神が今では敗軍の将となっているのだ。



それでも生き延びて自分に会いに来たと考えたアレクサンドロスは怒りで震えていた。



「鞍馬・・・」と怒りで声を震わせながら剣に手をかけていた。




「待ちなさい征服王。」

「鞍馬に最後の戦いを挑みましょう。」

「いいえ。 降伏しなさい。 戦略的に勝ち目はない。」

「アレスが見守ってらっしゃる。 我らは負けない。 アテナ様・・・直ぐにお召し物を用意します。」




アテナに服を用意しようとすると手を掴んで静かに首を左右に振っていた。



「もう止めなさい」とアレクサンドロスを静止するが彼には耐えられなかった。



神話アテナのこの様な姿は。



だがアテナは降伏の話を続けていた。





「もはや鞍馬と日本神族によって天上界は塗り替えられた。 彼らもそなたらを悪い様にはしない。」

「アテナ様はどうなさるのです?」

「私は到達点の守り手になる。」

「我らはそこへはいけません・・・」





到達点の守り手は天上法で決められていた。



「神族のみが務める役目」として。



人間である彼はアテナの作る国には入れなかった。



アレクサンドロスはその場に座り込むと遠くを見ていた。



アテナはしゃがみこんで「降伏しなさい」と話した。



するとアレクサンドロスは思いもよらぬ行動に出た。





「元はと言えば誰に出兵を促されたか・・・」

「私ね。」

「今になって降伏しろとはあまりに身勝手。」

「生き残る事を優先しなさい。」





これがアテナが最後に発した彼への言葉だった。



次の瞬間にはアテナ軍団の衛兵に姿を変えていた虎白がアテナを抱きかかえて部屋を飛び出した。



アレクサンドロスは部屋に隠していた火薬に火をつけたのだ。



大きな爆発音と共に部屋が粉々に砕けるとアレクサンドロスは窓から脱出していた。



砂埃と瓦礫に咳き込む虎白達は走り去るアレクサンドロスの後ろ姿を見ていた。





「交渉は失敗ね。」

「ああ・・・やるしかねえのか・・・」





アテナを連れて引き返そうとした時だった。



マケドニア軍が虎白達を囲んでいた。



神話アテナがいるにも関わらず武器を向けていた。



するとアレクサンドロスが兵士達の中から出てきた。




「鞍馬いるんだろおおお!!!!」

「バレてたか。」





姿を戻してアレクサンドロスを見ている。



長年の付き合いだ。



虎白の考える事は予想がついていた。



自分を見捨てたくないと話し合いに来る事もアレクサンドロスにはわかっていた。





「なあもう止めろよ。」

「アテナ様を解放しろ。 到達点の守り手になるのは本当だな?」

「そうだよ。 だからお前もこのまま俺と一緒に・・・」

「ダメだ鞍馬よ。」






アレクサンドロスは虎白の気持ちを理解していた。



大陸大戦の事は知らない。



何故、ゼウスを殺したのか。



それだけがわからなかった。





「反乱を起こして勝利した貴様は友である我の元へ来ると思っていた。」

「じゃあ!!」

「ふざけるな!! ゼウス様を殺して政権を乗っ取るとは貴様はそこまで落ちたのか!!」

「ち、違う!!」





アレクサンドロスに虎白の言葉はもう届かなかった。



爆発を聞いてか。



この速さは爆発音だけではない。



元から追跡でもされていたのだろう。



何故なら日本神族は八百万の神々だ。



どこにだって彼らの第八感の影響がある。



虎白が振り返ると既に皇国軍が大軍で押し寄せていた。





「恋華か・・・」





西側領土討伐の軍が既に到着してしまったのだ。



アレクサンドロスはアテナに深々と一礼した。



そして虎白を見ていた。





「何かが違えばそなたとは永遠に友でいられたであろうな・・・」

「頼むから降伏してくれ!!」

「勇者達よおお!! 今宵我々は勇者としての最期を迎えるぞ!!」





マケドニア及び、全てのギリシア軍が皇国軍に向けて進撃を始めた。



戦力差は100倍では利かないだろう。



皇国の第1から9までの全ての軍が到着したのだ。



もはや帝都へと繋がる緑色の平原が白に染まって見える。





「ど、どうしてみんな死んでいくんだよ・・・」




アテナは虎白の肩に手を置いた。



そして背後から雷電達が鎧兜を持ってきた。



勇者による最後の戦いが始まったのだ。

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