7#困難を生きる看板風船猫
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「何だにゃ・・・夢かにゃ・・・」
目を覚ました太膨猫のパンクは、辺りを見渡した。
そして、自らの尻尾を見た。
・・・やっぱり風船が結んで無いにゃ・・・
・・・そういえば、尻尾の風船・・・何時も注文してた風船屋が、この新型ウイルスの影響で経営悪化して倒産したんだっけにゃ・・・
そして、全く客が居ない店。
「そうだにゃ・・・今この地域が緊急事態宣言で、閉店自粛してるんだっけ。」
店の中では、ため息つきながら女将がテレビを見ていた。
「看板猫チャイで有名な飲食店が、新型ウイルス感染での自粛要請の影響で閉店を余儀なくなっていたのですが、看板猫チャイのファンや常連客が、SNSで存続の嘆願の書き込みが多数あった上に勇姿がクラウドファンディングを始めた事を奏して、飲食店経営存続が決まったそうです。」
太膨猫パンクは、テレビ画面に夢の中で一緒になった長毛猫のチャイが大あくびをして寝そべっているのを映し出されているのを見て、感極まって思わず目から涙が溢れてきた。
・・・チャイよ・・・よかったな・・・!!
「パンクや、こっち来て。」
女将がパンクを手招きしてるのを涙目で見て、ニャーンと返事して女将の傍らに飛び乗った。
「パンク、決めたよ。私もこの店を畳まないよ。
見たでしょ?今さっきのテレビ番組。
同業者だって、この苦しい中何とか頑張っている。
今度ね、うち自粛協力給付金の支援を受ける事にしたの。
この自粛が解除されたら、感染対策を施して粛々と店を開けるわ。
当分、客の入りを制限したいので尻尾の風船はお預けするけどいい?
今まで取引してた風船屋は潰れちゃったから、この新型ウイルスが収まったら新たな風船屋に頼んで、また尻尾に風船を結んであげるからね・・・
ごめんね。もうちょっと我慢してね。」
にゃ~~~ん。
~風船猫パンクの風船大作戦~
~fin~
風船猫パンクの風船大作戦 アほリ @ahori1970
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