4#2匹でウイルス倒して風船を奪い返す冒険へ出発だ!!
「私と一緒にこの憎きウイルスを撒いた組織に行って、私達の風船を奪い返すのよ!!」
「奪い返すって・・・風船は業者から在庫が届かなくて・・・このウイルスが原因で・・・風船を作ってる工場がストップして・・・?!」
太膨猫のパンクには、長髪猫のチャイの頼みがチンプンカンプンで訳が解らなかった。
「じゃないんだわ!!あんたの風船は、私の風船みたいに、『made in 向こうの国』なの!」
「『向こうの国』?!」
パンクは、目を丸くした。
「そうよ!『向こうの国』の『風船龍』が、世界中のゴム風船というゴム風船を独占して、ゴム風船に有毒なウイルスを膨らませて詰め込んで世界各地でウイルスを入れた風船を割って、パンデミックを起こしてるんだよ!!
だから、この『風船龍』を退治に同業者の君と一緒に『向こうの国』へ行こうって、此処に僕が直々に来たのよ!!」
「ねぇ、それって本気?!」
半信半疑で小首を曲げるパンクは、切実なチャイに問いかけた。
「本気だにゃ!!だから・・・あんたにもあげる。」
長髪のチャイは、脇から取り出した大きく膨らみそうなゴム風船を2個取り出して、片一方をきょとんとして凝視する太膨猫のパンクに渡した。
「この大きなゴム風船を膨らませて!!」
「ええっ?!私・・・ちょっと!!ご主人様がヘリウムガスで風船膨らませてるとこを何度も見てるけど・・・でも私は自分で風船を口では膨らませた事ないんだけど?!」
「あれ?私どこかの猫雑誌で、あんたが寝そべってこの居酒屋の膨らませてないゴム風船の吹き口をくわえて、『可愛いアピール』してるグラビア写真見たことあるけど・・・」
「それは!雑誌のカメラマンが!カメラマンのリクエストに乗って私がそういうポーズを・・・
でも、ため息ついたらプクっと膨らんだから・・・やってみるわ。」
太膨猫のパンクは、思いっきり渾身の力を込めて息を深く吸い込んだ。
「ウイルスまで吸い込んでない?」
「いちいちうっさいわねー!!」
太猫のパンクは、後ろでケチつける長髪猫のチャイに一喝を入れると更に息を深く深く吸い込んで、鼻の孔をパンパンにして、頬っぺたをめいいっぱい孕ませて大きな風船の吹き口をくわえて顔を真っ赤にして思いっきり息を吹き込んだ。
ぷぅ~~~~~~~~~~~~~!!
「すっごーーい!!パンクちゃんあんた!!ひと吹きでこんなにでっかいゴム風船をパンパンに膨らませちゃった!!」
「どうよ!!私の肺活量!!」
太膨猫のパンクは、自ら膨らませた大きな風船な吹き口をくわえてどや顔をした。
「よぉし!私も!!」
長髪猫のチャイもまた、息を深く吸い込むと頬っぺたをめいいっぱい孕ませて大きなゴム風船を口で膨らませた。
ぷぅ~~~~~~~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~~~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~~~~~~~~!!
ぷぅ~~~~~~~~~~~~!!
「どうよ!私も風船こーんなに膨らませたわ!!」
「チャイとやら!?」
「風船膨らませて、どうやって『となりの国』へ行くんだい?」
「だから・・・!!こうやるんだよ。」
長髪猫のチャイは、大きく膨らませた風船の上に飛び乗った。
「よっこらしょ!!こう?」
「そうだよ!パンクちゃん!
じゃあ、風船の吹き口開いて方角は・・・こっち!!」
「これじゃあ!!」「そう!そっち!」
太膨猫のパンクと長髪猫のチャイは、お互い飲っている風船の飛ぶ位置を確かめると、風船の吹き口を肉球から離した。
「『となりの国』まで・・・いっけぇーーーーーー!!」
ぷしゅーーーーーーーー!!ぶおおおおおおおおおおーーーっ!!!!しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅる!!
ぷしゅーーーーーーーー!!ぶおおおおおおおおおおーーーっ!!!!しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅる!!
お互い猫を乗せた風船は、『となりの国』へ向けて吹き口から空気を出して吹っ飛んでいった。
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