第47話 包囲

翌朝周囲が囲まれている状況に気が付き見張りは慌て出す

「勇者様大変です!!周囲を完全ゴブリンとオーガに囲まれています!!」

見張りが慌てて報告に来る

「何故囲まれる前に知らせない!!」

ルシオが大声で見張りを怒鳴る

「暗い間に囲まれては見つけられないだろう!!良く考えろ!!」

ベクトルがルシオに言う

「何だと!!ベクトル!!」

「落ち着け!!ルシオ!今はどうやってこの窮地を脱するか考えることだ!!」

「突破するしかないだろう!!すぐに準備をするぞ!!」

「どうやって突破するんだ!!突破した後どうするか決めているのか?どうやって味方のいる所まで戻るんだ!!」

「突破した後の事など知らん!!全員で突っ込むしかないだろ!!美咲様がいれば可能性は有る!!」

「全滅させるつもりか?ルシオ!!」

「じゃあどうするんだ!!」

「勇者様だけでも生き延びて貰うためにどうするか考えるべきだろう!!ここまで来たらそれしかない!!」

ベクトルが真剣に言う

「そうだが!!他の者達は見捨てるのか!!ベクトル!!」

「それしかない!!一点突破しかして美咲だけを逃がしたら、ゴブリン共を食い止めるしかないだろ!!」

「ベクトル!!!」

ルシオはベクトルを睨みなが大声を上げる

「ルシオ他に案があるのか??」

「ここで精鋭を失えば建て直しなど出来ないぞ!!解っているのか!!ベクトル!!」

「昨日オーガと戦ってすぐに下がればこんな事になってない!!こんな孤立した所で夜を過ごしたのが間違えだったと言うことだ!!」

ベクトルがルシオを睨みながら言う

「疲弊しているだから仕方ないだろ!!!終わったことを言うな!!」

「ルシオ!!反省しろ!!前回もお前のミスで撤退になったのを反省すらしてないとは!!みんなが逃がしてくれて生き延びた事すら忘れたのか?」

「過去の事をいうな!!!」

「2人共もうやめて!!今は行動が必要でしょ!!」

「美咲!!そうだが・・・・」

「この窮地はジンさんしか打開出来ない!!だからあなた達が争っても何にもならない!!わかったらすぐに動ける準備をしなさい!!」

美咲がいう

「ジン!!あいつの手は借り無い!!」

ルシオが大声でいう

「ジンの実力なら突破は可能かも知れないがどのぐらい強いか解らない・・・」

ベクトルがいう

「ジンは私より凄く強いです!いえ・・・ジンさん達はですね・・・」

「ジンさん達?達と言うと後ろにいる2人も?」

ベクトルが驚きながら言う

「そうよ・・・あなた達よりも強いわ」

美咲が真剣にいう

「は?俺よりもだと!!あり得ないだろ!!」

「ルシオ!本当の事だから仕方ないわ!それよりもすぐに出発しましょう!!」

美咲が言うとジン達の所へ向かい出すとルシオとベクトルは全員に突破する準備をさせる


「ジンさん!すぐに戦えますか?」

「美咲か・・・完全に包囲されているな」

「ジンさんなら突破出来ますか?」

「俺達だけならな」

「やっぱりこのぐらいでは怖じけないのですね・・・」

「しかしな・・・突破した後追われながら逃げるのは難しい!」

「突破口だけでもお願いできますか?」

「わかったがしっかり付いてこい」

ジンが笑顔で言う

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