第21話 ドリーとクレア

町中を歩いている

「ジンさん!!」

サーラと出会い声を掛けてくる

「サーラどうかしたのか?」

「ジンさんは魔物討伐に行かないのですか?」

「今は行かないが・・・」

「そうですか・・・急に魔物が増えて大変な事になりましたよね・・・」

「そうだな・・・・」

ジンはずーと見つめられているのを気にしながら答える

「あ!ごめんなさい、クレアそんなに見つめないのよ」

「え!うん、お姉ちゃん」

「ジンさん、クレアが精霊様に何故助けてくれないか聞いてくれると言うので、精霊様を探していました」

サーラが苦笑いしながら言う

「そうなのか・・・・」

ジンが苦笑いする

「見つけたよ」

クレアがジンを見ながら言う

「え!何を行っているの?ジンさんが精霊の筈がないでしょ」

「そうだな、おっさんの精霊はいないと思うな」

「ジン様私が見られている?」

ドリーが言うと飛んでみるとクレアの目はドリーを追いかけている

「私が見えるの!!」

「うん見えているよ」

「うっそーーー!」

「本当だよ」

クレアが笑顔で言うとドリーは急いでジンの肩に戻りジンを見ている

「クレア独り言なんて言ったらダメでしょ、ジンさんごめんなさい」

サーラが苦笑いしながら言う

「サーラはこれから討伐にいくのか?」

「え!実はみんなと弱そうな魔物を倒そうと話をしていたのですが・・・クレアを1人にしておけなくて」

「そうか・・・クレア精霊様探しの続きを付き合ってあげようか?」

「うん!良いよ」

クレアが笑うとサーラは驚いている

「え!私以外で素直に従うなんて!!ジンさんは凄いですね」

サーラは笑顔になってクレアを預けてパーティーメンバーの所に向かうことにする


「クレアどうして精霊が見えるのかな?」

「わからないよ?見えているだけだから」

クレアが笑顔で答える

「ジン様もしかしてシャーマンの素質が有るのかも知れないです」

「そうなのか?・・・クレアは精霊に何を聞きたかったのか?」

「どうして町の木を枯らしたの?」

「あれは警告です、私の森に人間が攻撃を始めたから」

「え?精霊様の森に!どうして?」

「森の恵みを奪い富を得ようとした人間のせいだな」

ジンが苦笑いする

「だから魔物を増やしたの?」

「魔物は山側から町側に移動してきただけだよ、ジン様に止めて貰わなかっただけだよ?」

「え?じゃあ精霊様が差し向けた訳じゃないだね」

「そうよ・・・だけど助ける気も無いけどね、町側に領域を広げないと約束だから」

「約束?」

「ジン様との約束は絶対だから・・・例え魔物が増えても私は助ける義理が無いだけだよ」

「そうなんだ・・・ジン様と言うのは何故?」

「ジンと契約しているからだよ!ジン様がいなかったらこの町は森に飲み込ませていたけどね」

ドリーは笑い出す

「え!町を飲み込んでいた!!町は全滅させていたと言うこと!!」

「精霊を敬わない!人が最上と思い込んでいる愚か者!そんな奴いらない」

「精霊様を敬い、称え、森を守るなら精霊様は加護してくれるの?」

「100年は続けて謝り続ければね、その気も無い人間など滅びようと構わない」

「・・・・もしかして約束をすぐに破ったの?」

「ギルドマスターが約束して数ヵ月で破ったね」

ジンが苦笑いする

「は?冒険者ギルドの?」

「あいつは一番信用できないね、ジン様!」

ドリーが笑い始める

「クレアどう言う事か理解できたかな?」

「裏切りに精霊様の森を攻撃・・・怒るのも仕方無いよね」

クレアが諦めたように苦笑いしている

「もし今ジン様に攻撃を仕掛けようとしたら町所か周辺全て木も草も無くすけどね」

ドリーが笑顔で言う

「え!誰がジンさんに攻撃を仕掛けるのですか?わざわざ怒らせることを?」

「約束すら守れない人かな?」

「やりそうだな・・・・愚か者だから」

ジンが笑い出す

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