第22話 2月22日 身近にコロナが



 無事に何事もなく家へ。

 オトンには名古屋コーチンの手羽先、オカンには板角の海老せんべい『ゆかり』、七海には大須ういろの『ウイロバー』を土産に買って帰った。おおかた好評だったと思う。

 けど、家のほうがいろいろと大変なことになってた。



 うちの県の最初のコロナ発症者は50代の県庁職員で、中国への渡航歴はないけど、東京への出張があったらしい。

 うわー、東京、検査に出てないだけで、保菌者はもう相当いるんだろうなー。きっと電車にも乗ってんだろなー。特急に乗るのはやっぱリスキーだな。各停で帰ってきて大正解か? なんて思ってたけど、もっと切実な問題がありました。



 うちのオトン、県庁勤務www



 コロナにかかっちゃった人とは部署も違うし、接点はほとんどないから大丈夫だと思う、とは言ってるけど、問題はそこじゃねえ。

 かかった人と、オトンと、両方と接する誰かは県庁内には絶対いるだろう。たとえば食道のおばちゃんとか、受付の警備員とか。

 そこから万が一にも、かからないという可能性は否定できないわけで。

 


 オカンにやいのやいの言われて、しぶしぶマスクしてたらしいオトンも、今更になって、しててよかった、と改めて身にしみたらしい。

 除菌ウェットシートとか、消毒用アルコールとか、これまでオカンが渡しても鼻もひっかけなかったグッズを、どこにあるんだ、と訊ねてオカンをキレさせてたw



 まだ、県庁内でどこまで広がるかもわかんねえし、一人出たことでかえってみんな気を引き締めて防疫に走るから、これで打ち止めかもしんねえけど、もし広がるようなら……と腕組みしてるオカンの背中がなんか怖え。


 なにを考えているんでしょーか、お母たま。


 


   * 



『WHO調査団が中国・武漢入りへ』


2/22(土) 0:35配信

【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は21日、新型コロナウイルスによる肺炎を巡るWHOの国際調査団が、22日に中国湖北省武漢市に入ると明らかにした。


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