前のエピソード――第12話　２月12日　『COVID―19』

　図書館で、藍川と相模と会ってきた。

　もう高三は自由登校だし、図書館に集まるなら目立たないだろう、っつーのが藍川の意見。で、午後、市立図書館に集合した。

　いやあ、なんというか、久々にリア充な気分を味わいましたよ。

　藍川の私服は、前、合宿のときに見たことがあるような気もすっけど、スカート姿は初めてだ。イメージ全然ちげーの。女って怖え。

　相模にいたっては、なんか知らん子見てる感じ。

　髪結んでなかったら誰だかさっぱりわからん。たぶん、町ですれ違っても、あれ？って振り返って、首捻ってそのままの気がする。女って（以下同文）。

　学校で会うときより、色白くなってるように見えるし、唇なんかぷるっぷるだし、なんかいい匂いするし、いかんですよこれは。

　脳がいつもの頭んとこじゃなく、下半身にお出かけしたがってる感じがひしひしと。いかんですよこれ。

　なんせ、何ヶ月ぶりの三次元女子だ？　七海以外に会うの。

　看護婦さん除いたら、１……２……半年ぶりくらい？　わあ、そりゃアホになるわけだ、俺。　

　必死で般若心経と新城のアホづら思い浮かべて、普通な顔を装ったけど、若干口数が少なくなったのは仕方ないと思う。だって緊張してんだからしょーがねーだろー！

　久しぶり、って挨拶して、俺が今どんな生活してんのか聞かれて、それから学校が今どんな感じなのか、共通の友人知人の噂した。

　で、本題は。

　相模が、美大受験のことで、めっちゃ食いついてきた。

　勉強方法は？　傾向と対策はなにかあるのか？　塾行ってる？　使ってる画材は？　画材屋いい店知ってる？　絵書くの飽きない？　モチベの上げ方は？　その他もーいっぱい。

　あいつは金沢の絵画塾に毎週通ってるらしく、俺のやってる通信制の美大予備校とのカリキュラムの違いに興味津々だった。

　それは俺も同じで、周りに美大芸大志望者がいねーから、こういう話が出来るのは初めてだった。無茶苦茶盛り上がった。

　最後、ＬＩＮＥ交換して、お互い、定期的に励まし合おうな、ってことで話が一致した。

　その間、藍川はずっとニコニコしながら横で話聞いてたけど、あいつ、相模と俺との連絡役のつもりだったんだろうか。

で、帰り際、二人から小さな包みを渡された。

「ほら、時期が時期だから」

「この時期に会うのに、手ぶらっていうのもどうかと思うし」

　そこまで言われて、初めて気がついた。マジでこれまですっかり忘れてた。

　これ、チョコか。

　自宅警備員に徹してる今年は、絶対に誰からももらえねーって思ってたから、日にちまったく気にしてなかったわ。　

　なんか、受け取る挙動がすげえ不審になったけど、仕方ねえと思う。

　とにかく受け取って、そそくさと帰った。へたれすぎ。

　家でさっそく開けてみて――ちょっとこれ、どうしたもんかね。

　相模のは、『●●のレンガ道』『××の石畳』みたいな名前の、キューブ状の生チョコ。義理にしてはちょっとお高めな、かといって本命にはわずかにびみょーって感じの、味はぜってー美味しいヤツ。

　でもって藍川のは。

　手作りのチョコレートケーキ、だった。

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『米当局、クルーズ船内感染を懸念　新型コロナ、日本の対応に批判も』

2/13(木) 6:22配信

【ワシントン、ニューヨーク共同】米疾病対策センター（CDC）幹部は12日、電話会見し、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」について「感染者数が多くて懸念している。船内にいる米国民の安全が確保されるよう日本の保健当局と緊密に協力する」と述べた。

　CDC幹部は「米国民の感染者がいる。症状のない人も含め、最善の対応を受けられることが最優先だ。（米国が）次にどう行動するのが正しいか、国務省や在日米大使館と検討している」と説明した。

　米メディアでは、船内に乗客乗員をとどめる日本政府の対応を疑問視する報道も増えている。

『東京五輪、中止や延期検討なし　新型肺炎、森氏「冷静に対応」』

2/13(木) 10:59配信

　2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は13日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に関し「東京大会の中止や延期は検討されていないことを改めてはっきり申し上げたい」と述べた。同日、東京都内で始まった大会の準備状況を確認する国際オリンピック委員会（IOC）と組織委などとの第11回事務折衝の冒頭で発言した。「政府と連携し、冷静に対応する」との姿勢を強調した。

　IOCのコーツ調整委員長は新型コロナウイルスの感染拡大について「予想外の課題」と指摘。「影響を受けないように、必要な警戒が行われているということをうかがう」との見通しを述べた。

『警視庁、歌手の槙原敬之容疑者を逮捕』

2/13(木) 17:33配信

　警視庁は13日、覚せい剤取締法違反の所持の疑いで、歌手の槙原敬之容疑者（50）を逮捕した。

『新型肺炎、国内初の死者　神奈川県の80代女性』

2/13(木) 20:55配信

　厚生労働省は13日、新型コロナウイルスに感染した神奈川県在住の80代の日本人女性が死亡したと発表した。国内で死者が出たのは初めて。女性は死亡後、感染が確認された。加藤勝信厚労相は会見で、死亡した女性の感染経路について「現時点で情報がない」と述べ、調査する考えを示した。最近の海外渡航歴はなく、国内で感染した可能性がある。

　このほかに厚労省は13日、和歌山県に住む50代の男性外科医の感染を明らかにした。肺炎を発症し入院している。国内の医師の感染が明らかになったのも初。この男性の発症前14日間の渡航歴はなく、中国から来た人との接触の有無は分かっていない。