　センターどうだったー、と、担任から電話が来た。

　担任ってのは、今の通信制のＭ高校の。楡崎という、たぶんまだ若い、いってても三十くらいかな、って感じのにーちゃん。

　たぶん、っつーのは、一度も会ったことないから。

　電話も今日で三度目。普段はメールでやり取りしてる。うちのオカンと話してるとこ横から聞いてたら、完全に呑まれてたから、先生のほうも人慣れしてねーんだろうな、って思う。

　Ｍ高校って、授業はネット配信で講義聞いて、その分の教科書自習して、出された課題に答えてレポート提出すれば単位もらえる。遠足もＭＭＯのゲームみたいに、ネットの中でアバター使って行くらしい。すげえな。このぶんだと、俺はたぶん参加することはないけど。

　前の学校は私立で、俺はスポーツ特待じゃなく普通に進学クラスだったから、授業もけっこう早め早めに進んでたし、科目によっては二年で単位取れてるから、って元担任の中沢に言われてたんだけど、蓋を開けてみたら、意外と卒業に必要な単位は多かった。

　１単位いくらで金取るから、たぶんＭ高なりの最低必修単位があるんだろう。

　そのぶん、コンピュータープログラミングとか、ラノベ講座とか、専門学校みたいな変わったカリキュラムも結構あっておもしろい。一流のプロ連れてきて講義させてるから、すげえ見応えがある。高校の卒業資格取るためだけに１１月に編入したんじゃなきゃ、もっとじっくりいろいろと見たかった。

　しぶしぶだけど、担任に自己採点の点数を伝える。あと、受験予定の大学名を。

　かなり難しいと自分でもわかってるけど、楡崎は特になにも言わなかった。

　少しほっとした。

　ただ、卒業するために必要な単位には、体育とか技術家庭科なんかが含まれている。

　これはスクーリングといって、直接学校に何日か通って受けなきゃいけない。俺の場合は五日間。

　１１月に編入したとき、いつ頃スクーリングに来れますか？　と聞かれて、とにかくセンターが終わるまでは自宅で勉強に集中したいから、出来ればその後で、と返事してた。

　なので、センター終わったからスクーリングの日取りを、という電話だった。

　３月前半に志望校の試験があるから、その後じゃ駄目ですか、って聞いたら、３月後半の半月だけという短い間だと、うまく必要単位の授業を五日間に組み込めない可能性があるって。

　Ｍ高校は通信制で広域の教育機関で、日本各地にキャンパスがあるとはいえ、俺の住んでるこの県にはない。スクーリングはどうしても泊まりで受けることになるから、一度に五日じゃなく複数回に分けられるとめっちゃ困る。旅費、特に特急代何度もかけたくねー。　

　じゃ、五日でなんとかなるのはいつなんですか？　って聞いたら、２月１０日からと、１７日からなら今のところ大丈夫だって。

　なら、保護者と相談して、改めてお返事します、って答えた。

　そーしたら。

　２月１５日が、レポートの最終提出期限だから、それ、忘れないでね、ってさらっと言われた。

　爆弾発言！！！

　なにそれ、初耳なんですけど？　今まで聞いてないんですけど？

　出さなかったらどうなるんですか？　卒業できないんですか？　って慌てて聞いたら、一応追試期間はあるけど、まあそうなるねえ、だと！　

　そーゆー大事なことは、もっと前からちゃんと言ってくれよな！！！

　けど、俺も、Ｍ校から来る連絡事項とかの一斉メールをほぼ読んでなかったから、あまり偉そうなことは言えねえわ。そん中に締め切り書いてたのもあったかもしれんし。

　だってさー、一斉メールって、タイトルがネット遠足のこととかさー、ぶちぶち。

　とにかく、スクーリングの日取りと、レポート。メモメモ。

　デッサンの練習とか言ってたけど、それどころじゃなくなりそう。

　ま、週末京都は行くけど。

　京都なー。春節の観光客大丈夫かなー。

　京都市でも緊急会議開かれたらしいし。こういうの見ると、なんかじわじわと迫ってきてる感じがすんなー。

　北朝鮮は中国からの観光客をシャットアウトしたらしい。

　医療体制あんま整ってねーだろうし、万が一入ってきたら一発アウトだから敏感になってるんだろうけど、いきなりそういう決定が下せるっつーのは、さすが独裁国家。スピード感が違う。

　中国での死者は１７人！！！　

　感染者は５００人オーバー。SARSの専門家も感染、中国当局の初期対応を批判する声も中国国内から上がってるらしいし、なんかもうめちゃくちゃだな。

　アメリカやマカオ、香港でも感染者出たらしいし、香港の感染者の家族は、そのままフィリピン入りしたって話。次はフィリピンで感染者出んのかね。

　数が増えるにつれて、ウイルスの突然変異も心配され始めた。リアルバイオですよ奥様。

　かゆ、うま。

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『新型肺炎、春節で中国人客増控え「注意を」　京都市が緊急会議』

2020/1/22 15:02

京都新聞

　中国湖北省武漢市を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大を受け、京都市は22日、幹部を集めた緊急の庁内連絡会議を中京区の市役所で開いた。発生状況について情報共有したほか、市内で感染の疑いがある患者が見つかった場合の対応を確認した。

　25日からの春節（旧正月）を控え、中国から多くの入洛客が予想される中、市は同日までに、観光関連の事業者や業界団体に注意喚起の文書を送った。

　会議で門川大作市長は「人から人への感染が確実と言われ、国内発生が懸念されている。初動対応に万全を期してください」と呼び掛けた。

　市によると、市内で感染が確認された場合、京都府や感染症対策に特化した13の指定医療機関と連携し、患者の検査や感染拡大の防止に当たるという。

『新型肺炎拡大、死者17人に　中国、感染者は540人超』

1/22(水) 21:51配信

【北京共同】中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染による肺炎で、中国国営メディアなどは22日夜、中国で新たに8人の死亡が確認され、死者は計17人になったと伝えた。発症者は542人となった。台湾とマカオでも1人ずつ発症者が確認された。世界保健機関（WHO）は22日「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるかどうかを協議するため、専門家による緊急委員会を開催。中国政府は感染予防や制圧に力を注いだ。

　香港政府も22日、感染の疑いが強い男性患者が見つかったと発表した。

　春節（旧正月）の大移動に伴い、さらなる感染の拡大が懸念されている。