第3話 驚愕

「ヒスカ…、なんで此処にいるんだよ?」


 僕が問い掛けても、真っ直な目付きで彼女を見詰める。


「すまねえ、それは後にしてくれ…。

 …久しぶりだな、丗蠃セラ。また、河村こうむらからの連絡か?」


「誰かと思ったら…、地炎チュラの青年じゃないの。元気にしてた?」


「元気で居られるかよ! また喰っただろ…、テメェ、今月で何人喰った!?

俺の、仲間を! 同志を!」


丗蠃セラと呼ばれた彼女の襟首を掴み、揺さ振っている。

今までに、観た事の無い表情をしていた。

憎悪に塗れ、必死に、仲間の無念を訴えている、彼を。


「さぁ…、10人くらいかしら? 結構早く、お腹空いちゃうのよね〜」


巫山戯ふざけるなッ…」


長刀を持ち、構え、踵を浮かせる。

僕が瞬きをした後に、彼は彼女の頸を落としていた。


「償え」


「…やっぱり、強くなったのね…。ウフフ…」


頸から、声がした。

凄く、気味が悪い。


みるみるうちに、頸と胴体が再び繋がっていく。


僕に近付いてくるけど、恐くて、何も出来ない。


「青年は、貰っていくわね」


僕は担がれて、夜の街を去った。


遠くで、ヒスカが僕の名前を叫んでいるのが、視えた。

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