　仕方無く、財布は薬局の鍵のかかる引き出しに放りこんでおくことになった。

「アマビエさんも、元に戻ったんだから節制してくださいね」

「……いざとなったら、いたりあまで往復すれば痩せる……」

「やめてください」

　悪い成功体験を与えてしまった。超高速で日本とイタリアを往復する超生命体が、ニュースで話題になったらどうしてくれる。

「声がすると思ったら。アマビエ、あなたは全く変わりませんね」

「一回でもいいから痩せてみろ。好きな物をやるよ」

　そこにヨゲンノトリさんがやってきた。ぽろっと何気なくこぼした言葉を聞いて、アマビエさんが不敵に笑う。

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