第958話 【番外編】アマビエさん、眠る

 その乱れた鱗を見て、僕は笑った。


「……はぐれたけど、必死に戻ってきてくれたんですね」


 そして最初に、僕たちを頼ってくれた。それが、妙に嬉しい。


「これからも、よろしくお願いします」


 僕は起こさないよう小さな声で言って、部屋の電気を消した。




「……ん?」


 僕はベッドの中で、ふと目を覚ました。何時か確認しようとして、寝返りをうとうとしたのだが、何かがひっかかって体の動きを阻害している。


「なに……」


 僕は無理矢理起き上がって、枕元のライトをつけた。そのぼんやりした明かりの中に、寸胴なラインが浮かび上がる。

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