第949話 【番外編】アマビエさん、身震いする

 中はパーテーションで区切られ、会議室で使うような椅子と机が並んでいる。ほぼ埋まっている席の端っこに案内され、僕たちは腰を下ろした。


「あーあ」


 店員が食券を持っていってしまったので、僕は腹をくくった。おとなしく出された水をすする。


「特製チャーシュー麺と特製鶏白湯ラーメン、お待たせしましたあ」


 お店の人も早くたたんでしまいたいのか、程なくしてラーメンが来た。アマビエさんの前に置いてある丼をのぞくと、味噌ラーメンの上にチャーシューが七枚ものっている。その美しい脂身の層に、アマビエさんが身震いしていた。

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