第948話 【番外編】アマビエさん、シェア前提

 さらさらのスパイシーなスープに、大きな具がどかんと入っている。野菜も肉もとれて、栄養バランスも良さそうだ。明日のために冷凍のカレーをいくつか買って、アマビエさんの様子を見に行った。


「あ、券買ってる」


 ギリギリで間に合ったらしい。券を買っていたアマビエさんは、僕の顔をちらっと見た。


「連れが来た。特製鶏白湯ラーメン、追加で」

「なに勝手に人を巻き込んでるんですか」

「二つの味を楽しみたいじゃないか。つべこべ言うな、時間がないんだから」


 アマビエさんはさっさと支払いを済ませると、僕の手を引いてラーメン店に入った。

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