第941話 【番外編】アマビエさん、ウニを狙う

 しかし、海鮮弁当や海の珍味に限っては、必ず複数出展されている。それだけ楽しみにしている人が多いということだろう。


「消化完了」


 アマビエさんの腹の動きが止まった。全身がやや白っぽくなって、いつもの感じに近付いている。


「ということで貴様のウニをよこせ」

「嫌よ、弁当三つも食べたくせに」


 クタベさんが自分の弁当に結界を張っていると、事務の子が戻ってきた。


「私が最後か。たくさん買ってきたので、許してくださいねー」


 確かに彼女の両手には、ぱんぱんになったビニール袋が下げられている。その中から、ぞろぞろ食料が出てきた。

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