第940話 【番外編】アマビエさん、海鮮好き?

 思わず目を閉じて唸ってしまう旨さだった。


 次は蟹、それに醤油のかかったご飯。ほぐし身の蟹は口に入った瞬間優しくほどけていき、米に寄り添って箸が進む甘じょっぱ味を与える。


 対して横にあった蟹爪の身はしっかりしていて、さっきとは反対にくらいつく喜びがあった。


「美味しい……」


 思わずそうつぶやくと、同じように小さくうなずいたクタベさんと目が合った。彼女もうなずく。


「これぞ北海道の醍醐味ですよね。お弁当が並んでるところを見るだけでも、楽しい気分になります」


 基本、物産展で一つの会場に同じジャンルの店がかぶることはない。

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