第930話 【番外編】アマビエさん、宿を借りる
ぱっと見ただけで百万近く入っているように見えて、僕は震え上がる。
「多すぎません……?」
「これから数日、誰かの家にアマビエを泊めてやってほしいんだ。僕は戻れないし、ばあちゃんは自分の世話で手一杯だし。それは宿泊料も込みってことで。じゃ」
社長はこっちの返事を聞かないまま走り去ってしまった。
「困ったなあ……」
「うちに泊まってもいいよ、アマビエさん」
「狭くてよかったらうちにもどうぞ!」
僕が困っていると、薬局長と事務の子が手をあげてくれた。
「アマビエさん、二人がこう言ってくれてるけど。どうします?」
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