第929話 【番外編】アマビエさん、再会する

 そしてその一時間後には、スポーツカーで薬局の前に乗りつける。


「アマビエ!」

「よう……社長……」


 社長も一瞬アマビエさんの顔を見て絶句していたが、一応の受け答えはできる様子なのを見て愁眉を開く。


「とりあえず生きててよかった。差し入れのカレーパンだよ」

「うま……カロリーうま……」


 アマビエさんは噛みしめるようにそれを食べていた。


「このまま連れて帰りますか?」

「いや、実はこれから出張なんだよ……本当に悪いんだけど、これで何か食べさせてやってくれないかな」


 社長はぽんと、分厚く膨らんだ財布を投げ出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る