第927話 【番外編】アマビエさん、行方不明

「想像がつきます」


 アマビエさんは敬われ、愛されたい自己顕示欲の塊である。討伐対象になるなど、屈辱以外の何物でもなかったはずだ。


「んで、『泳いで帰る!』って言って、いなくなっちゃったんだよ。帰ってきたら、悪いけど連絡くれないかな」

「わかりました」


 僕は了承したものの、ちょっと不安になってきた。


「クタベさんの能力で分かったりしないんですか?」

「さすがにイタリアまでは範囲外よ」


 クタベさんはため息をついた。


「まあ、妖怪は滅多なことじゃ死なないから、そのうち帰ってくるでしょう。私達は待つしかないわね」

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