第926話 【番外編】アマビエさん、ガッツを見せる

「え? アマビエさん、本当にイタリアから泳いで帰るつもりなんですか」

「正確には、本人がそう言ってたんだよ」


 久しぶりに薬局に来た社長は、さすがに困った顔をしていた。


「どうしてそんなことになったんですか」

「行きの飛行機は問題なく乗れたんだけどね」

「……そこからつっこむと時間が足りないので、続けてください」

「帰りの搭乗口で、『mostro(イタリア語で怪物の意味)!』って言われてね」


 何も間違ってはいない。あっさり乗れた日本側の方がおかしいのである。


「警棒とか持ってきて退治されそうになったから、まあスネてねえ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る