第914話 【番外編】アマビエさん、追われる

 すかさず社長とアマビコさんが後を追う。


「慌ただしいなあ」


 そんな人間たちを笑うように、目の前のゾウはゆったりと歩いていた。観客がいるのを理解しているように、外からよく見えるところを歩いている。


「キリンを見た時はすごく大きいと思いましたけど、ゾウはやっぱりそれ以上ですね」


 パートさんが感心している。体高もあるし、横幅が全然違うから圧力がこちらまで伝わってくるようだ。どこかの国ではゾウに乗れるツアーもあるというが、僕は怖くて無理な気がする。


 横にはもう一頭若いゾウがいて、おやつの草花をむしゃむしゃ食べている。


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