第900話 【番外編】アマビエさん、マスコット

「見る」


 人気に敏感なアマビエさんは、すぐに立ち上がった。相変わらず、有名どころと張り合う時は元気になるな。


「こあら、こあらはどこだ」

「はい、アマビエさんこっちこっち」


 子供にぶつからないよう位置取りをしながら、コアラ舎に誘導する。たまにマスコットと間違われて、向こうから寄ってくるので困った。


「コアラですよ。かわいいでしょ?」


 アマビエさんはじっくりとコアラの顔をねめつけた。


「……かわいいと言えなくもないかもしれん」

「素直じゃないですね」


 アマビエさん、ライバルになりそうなキャラには張り合おうとするのだ。



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