第889話 【番外編】アマビエさん、憮然とする

「何もしておらぬ」


 アマビエさんが憮然とした。


「去れ、去れ。下々の鳥共が」


 アマビエさんはしっしっと手を振った。社長はその横で写真をとり、パートさんはなにやら書き付けている。


「こっちにも鳥がいますよー」


 事務の子が向かいの檻の前で手を振っていた。その中には、瑠璃色の羽を広げた孔雀たちが、のしのしと歩いている。パートさんがまた目を輝かせながら、檻に近付いていった。本当は、鳥が一番好きなのかな?


「やっぱり孔雀の雄は立派だねえ」


 社長が雄を見つめながらつぶやいた。


「雄と雌でそんなに違うのか?」


 アマビコさんが聞く。

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