第885話 【番外編】アマビエさん、パクる

「アマビコさんの体は黒いから、花びらがよく見えますね。漆器みたいだ」

「そ、そうか?」


 ちょっと嬉しそうにするアマビコさんの横で、アマビエさんの体の色が徐々に黒くなり始めていた。どれだけ自己顕示欲の塊なんだ。


「アマビエさん、真似せずに花粉吸っててください」

「コオオオオ……」


 大きく口を開けているので反論できないアマビエさんが不満そうにしていると、社長が戻ってきた。


「やあ、よく来たね。チケットは僕のおごりだよ」


 払いますよ、としばらく社会人(妖怪含む)三人は主張したが、結局社長に押し切られた。

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