第884話 【番外編】アマビエさん、正直すぎる

「花粉対策です」


 少し鼻声で、事務の子は言った。厳重にしなければとは聞いていたが、あまりにものものしい装いに驚いてしまう。


「……強盗のようだな」


 アマビエさんがあんまりな評を下した。


「いかに外見が怪しかろうと、花粉の害が減るならなんでもします」


 事務の子の言葉は真剣そのものだった。


「少し花粉を吸ってやるから、そう怖い顔をするな」


 アマビエさんが真面目にとりなすというのも、また珍しい。


「お、お前らの方が先か……」


 話していると、アマビコさんがやってきた。アマビコさんの体にもぺたぺたと花びらがくっついている。

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