第883話 【番外編】アマビエさん、モデルチェンジ

「ぺったぺたですね」

「剥がすな。桜アマビエは好感度が高い」

「何、限定キャラみたいな雰囲気出してるんですか。社長は?」

「さっき『ちけっと』を買いに行った」


 確かに列に並んでいる社長が見える。サングラスだけの変装だが、意外と誰も気づいていない。


「あ、いたいたー」


 事務の子の声が聞こえたので、僕は振り返り……そして固まった。


 長袖のパーカーにジーンズ、スニーカー。ここまではいいのだが、大きなつば付きの帽子にサングラス、マスク、首元のストール。全く元の顔が見えないほどの重装備だった。


「それはもしかして……」

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