第877話 【番外編】アマビエさん、見飽きる

 気持ちいいくらい思考を読まれまくっている。


「その食欲の一割でも、知識欲に回せば大成するのにねえ、あなた」


 クタベさんがそう言ってため息をついた。


「とにかく他の場所がいい」

「……となると、博物館系もダメか」


 なぜ僕が真剣に考えているのか、という疑問はいったん横に置いて、思考を巡らせる。公共施設、という目の付け所は間違っていないはずだ。


「水族館はどうですか?」


 あそこなら海の世界だから親近感もあるだろうし、イートインコーナーがあるから美術館よりは我慢できるかもしれない。


「魚がたくさんいるのか? 見飽きたぞ」

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