第868話 アマビエさん、知らない
「コンクリートにそれをやってもねえ……」
アマビエさんは知らないのだ。カンカンに熱したコンクリートに水をかけたところで、水蒸気があがって暑苦しくなるだけだということを。
「だから人間はクーラーで己を守っているわけですよ」
「そいつの吹き出し口の風、すさまじく暑いけどな。自分で自分の首を絞めているだけではないのか?」
アマビエさん、時々鋭い。
「人間というのは、螺旋の中から抜けられない存在なのかも……」
「その点、妖怪は一段上にいると言えるな」
【薬局あるある】打ち水はなくても、たまに花壇に水やりしている薬局はある。
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