第856話 アマビエさん、期待する

「分かりました」

「そっちが冷蔵庫。夏場は、お弁当や食事を入れてる」

「食事!?」


 アマビエさんが起き上がって、冷蔵庫を開いた。


「今は夏じゃないから水くらいしか入ってないけどね。みんなお昼食べたし」

「…………」


 アマビエさんは憮然とした顔で扉を閉めた。


「ウラギリモノ」

「勝手に期待して勝手に絶望しただけでしょうが。帰った帰った」


 アマビエさんは名残惜しげにしていたが、僕はお菓子の存在がバレる前に追い出した。


「今日はとりあえず、調剤だけしてもらおうかな」



【薬局あるある】お昼前にはちゃんとお弁当でいっぱいになる冷蔵庫。

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