第826話 【番外編】アマビエさん、意気揚々

 完全に向こうの思い通りに動いてしまった。


「……まあ、言いなりも悔しいし……食事代くらいは請求するか」


 それでも絶対に来ないでくれ、という気にならないのは、僕が甘いのだろうか。ため息をつきながら、僕は部屋に入った。


 まだ部屋の中には、たこ焼きの匂いが残っている。せっかく掃除したばかりなので、消臭剤でもまいておこうか。


 そう思った手が止まった。匂いと同時に、騒がしくも楽しかった時間が蘇る。思えば人を家に呼ぶなんて、本当に久しぶりだ。


「まあ、今日くらいはいいか」


 僕はそのままベッドにもぐりこみ、ぐっすり眠った。

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