第825話 【番外編】アマビエさん、宿を確保

「美味しかったです」

「ほんじゃねー。お兄ちゃん、またどこかでおごってね」

「今回でチャラだよ」


 僕は女子組をため息交じりに見送った。アマビエさんもそれに続いて、のたのた外に出る。


「気をつけて帰ってくださいよ」

「うむ」


 アマビエさんは玄関でふと立ち止まり、振り返ってつぶやいた。


「せかんどはうす。覚えた」

「断り無しに来ても泊めませんからね」

「週末の宿」

「言い方変えても泊めませんからね!?」


 アマビエさんはフフフと不敵に笑い、夜の闇に消えていった。


「やられた」


 うちに来たいと言っていたのは、そういう意味もあったのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る